「電車の中で思いついたバグ修正を、スマホからPCのClaude Codeに指示したい」「長時間のリファクタリングを任せて外出し、スマホから進捗を確認したい」——Remote Controlはまさにこれらの要望に応える機能です。ローカルPC上で起動中のClaude Codeセッションに、スマートフォン・タブレット・別のPCのブラウザからリモートでアクセスし、指示の送信や進捗の確認ができます。2026年2月25日にリサーチプレビューとして公開されました。
本記事ではRemote Controlの仕組み、始め方、Dispatchとの違い、実践的な活用シーン、セキュリティの注意点まで、初心者にもわかるように丁寧に解説します。
Remote Controlとは——スマホがClaude Codeのリモコンになる
Remote Controlの仕組みはシンプルです。自宅やオフィスのPCでClaude Codeを起動しておき、Remote Control用のURL(またはQRコード)を発行します。外出先からスマホのブラウザでそのURLにアクセスすると、PCのClaude Codeセッションにリモート接続し、テキストで指示を送信できます。PCのターミナルにはリアルタイムでClaude Codeの実行状況が表示されます。
最も重要なポイントは「コードの実行はすべてローカルPC上で行われる」ことです。スマホから指示を出しても、実際のファイル操作やコマンド実行はPC側で行われます。PC上のMCPサーバーやローカルファイル、開発環境への接続はそのまま維持されます。スマホ側にはClaude Codeのインストールは不要で、Safari・Chrome等のブラウザだけで操作可能です。
Remote Controlの始め方——3ステップ
ステップ1:PCでClaude Codeを起動する
通常通り、ターミナルを開いて作業したいプロジェクトフォルダに移動し、claudeと入力して起動します。Claude Codeの基本的な使い方がわからない方は先にそちらを確認してください。
ステップ2:Remote Controlを有効化する
Claude Codeのチャット欄に/remote-controlと入力してEnterを押します。または、ターミナルで別途「claude remote-control」コマンドを実行することもできます。どちらの方法でも、画面にQRコードとアクセス用のURLが表示されます。
–nameオプションを使うとセッションに名前を付けられます。例:「claude remote-control –name my-project」。複数のプロジェクトでRemote Controlを使う場合に、どのセッションかを識別しやすくなります。「claude agents」コマンドで現在有効なエージェント(Remote Controlセッション含む)の一覧を確認できます。
ステップ3:スマホからアクセスする
表示されたQRコードをスマホのカメラアプリで読み取るか、URLをスマホのブラウザに直接入力します。ブラウザにClaude Codeの操作画面が表示され、テキスト入力欄から指示を送信できるようになります。指示を入力してSendを押すと、PC側のClaude Codeに送信されて実行が始まります。実行状況はスマホ側でもリアルタイムに確認できます。
接続が確立するとPC側のターミナルにも「Remote client connected」のような表示が出ます。これでスマホとPCのClaude Codeが繋がった状態です。
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Dispatchとの違い——混同しやすいポイントを整理
「スマホからPCを操作する」という点でDispatchとRemote Controlは似ていますが、目的と仕組みが明確に異なります。ここを理解しないと混乱するため、違いを丁寧に整理します。
Dispatchとは
DispatchはiPhoneのClaudeアプリから、自宅やオフィスのMacに「新しいタスクを送信する」機能です。iPhoneのClaudeアプリがフロントエンドになり、Mac上でClaude CodeまたはComputer Useが自律的に作業を実行します。「Macのファイルを整理して」「Excelを開いてデータを分析して」のように、Mac上のアプリケーション操作まで含むタスクを任せられます。Dispatchは「新しいタスクの投入」が主な用途です。
Remote Controlとは
Remote Controlは「既に起動中のClaude Codeセッションにリモート接続する」機能です。PC側でClaude Codeがすでに起動されていることが前提で、そのセッションに外出先から「続き」を操作します。ファイル操作はClaude Codeの範囲内で行われ、Computer UseのようにMacのGUIアプリを操作する機能ではありません。Remote Controlは「進行中のセッションの継続操作」が主な用途です。
使い分けの判断基準
「外出先からMacに新しいタスクを投げたい。GUIアプリの操作も含む」→Dispatch。「作業中のClaude Codeセッションの続きを外出先から操作・監視したい」→Remote Control。「PCでAuto Modeを走らせて外出し、スマホから進捗を確認したい」→Remote Control。「スマホからMacのデスクトップ上のファイルを整理させたい」→Dispatch。
両方を同時に使うことも可能です。たとえば、Remote ControlでClaude Codeの開発作業を監視しながら、別途DispatchでMacのファイル整理タスクを投げる——のような併用もできます。
Remote Controlの実践的な活用シーン6つ
シーン1:電車の中からコードレビューの続きを指示する
オフィスでClaude CodeにPRのコードレビューを依頼し、途中で退社。電車の中からスマホでRemote Controlに接続し、「セキュリティの観点でも確認して」「この関数の単体テストも追加して」と追加指示を出します。帰宅する頃にはレビューとテスト追加が完了しています。
シーン2:長時間タスクの進捗をスマホから確認する
大規模なリファクタリングやテスト実行をClaude Codeに任せて外出。スマホからRemote Controlで進捗を確認し、問題があれば追加指示を出します。Auto Modeと組み合わせると、Claude Codeが自律的にタスクを進めている状況をスマホからモニタリングできます。
シーン3:CIの失敗をスマホから即座に修正指示する
GitHub Actionsなどの通知がスマホに届いたら、Remote ControlでClaude Codeに「CIのこのテストが失敗しているから修正して」と指示。PCの前に戻る頃には修正が完了してPRが更新されています。GitHub連携と合わせて使うと効果的です。
シーン4:カフェでの軽い作業
ノートPCを持ち歩かなくても、スマホ1台でClaude Codeの操作ができます。「README.mdの英語を日本語に翻訳して」「設定ファイルの値を変更して」「dependenciesを最新版にアップデートして」のような軽いタスクならスマホからの操作で十分です。
シーン5:ペアプログラミングの相手として場所を問わず参加する
チームメンバーのPCでClaude Codeが起動されている場合、Remote ControlのURLを共有してもらえば、自分のスマホやPCからそのセッションに参加して指示を出せます。物理的に同じ場所にいなくても、1つのClaude Codeセッションを共有したペアプログラミングが可能です。
シーン6:/loopでの定期タスクをスマホから監視する
「/loop 1h run tests and summarize results」のように定期実行タスクを設定したClaude Codeセッションに、Remote Controlでスマホから接続。テスト結果のサマリーを定期的に確認し、異常があれば即座に対応指示を出す——というモニタリングフローが構築できます。
セキュリティと注意点
URLの管理は慎重に
Remote ControlのURLを知っている人は誰でもそのセッションにアクセスできます。URLをSNSに投稿したり、不特定多数と共有したりしないでください。信頼できる相手(自分のスマホ、チームメンバー等)のみに限定してください。
作業が終わったらセッションを終了する
Remote Controlを使い終わったら、PC側でClaude Codeのセッションを終了するか、/remote-controlを再度実行してRemote Controlを無効化してください。URLが有効な状態でPCを放置しないようにしましょう。
公共Wi-Fiでの利用は避ける
公共Wi-Fi(カフェ、駅等)ではセキュリティリスクが高まります。Remote Controlを使う場合は、モバイル回線(4G/5G)やVPN経由での接続を推奨します。
PCの電源とスリープに注意
PCが起動している間のみRemote Controlは有効です。PCがスリープ状態になるとClaude Codeのプロセスが停止し、接続が切れます。長時間のAuto Modeタスクを外出中にモニタリングする場合は、PCのスリープ設定を無効にしておいてください。macOSの場合は「システム設定→ディスプレイ→電源アダプタ接続時に自動でスリープさせない」を設定します。
v2.1.81の–channelsオプション
Claude Code v2.1.81で追加された–channelsオプションにより、モバイル経由での権限承認が可能になりました。通常モード(Auto Modeでない場合)でClaude Codeが「この操作を許可しますか?」と確認を求めた際、PC側だけでなくスマホ側からも承認操作ができます。これにより、通常モードでもスマホからの遠隔操作が実用的になりました。
claude.ai/code との関係
2026年3月時点で、Anthropicはclaude.ai/codeとしてWebブラウザ上でClaude Codeを実行できる環境の整備も進めています。これはgVisorサンドボックス上でClaude Codeを動作させるもので、ローカルPCにClaude Codeをインストールしなくてもブラウザだけで利用できる形態です。Remote Controlが「ローカルPCで動作中のClaude Codeにリモート接続する」のに対し、claude.ai/codeは「クラウド上のClaude Codeをブラウザで操作する」という違いがあります。
よくある質問
Remote ControlにClaudeアプリのインストールは必要ですか
いいえ。スマホ側はSafari、Chrome等のブラウザだけで操作可能です。PC側にはClaude Code(Pro以上の有料プラン)が必要です。料金プランの比較はこちら。
PCの電源を切ったらどうなりますか
PCが起動しClaude Codeのセッションが有効な間のみRemote Controlは機能します。PCがシャットダウンまたはスリープすると接続が切れ、スマホ側に切断通知が表示されます。
同時に複数のデバイスからアクセスできますか
はい、同じURLに複数のデバイスからアクセスできます。ただし同じセッションに対する操作なので、複数人が同時に異なる指示を出すと混乱する可能性があります。チームで共有する場合は、誰が指示を出しているかを口頭やチャットで共有してください。
Remote ControlでVoice Modeは使えますか
Remote Control経由ではVoice Modeは使えません。Voice ModeはPC側のターミナルでのインタラクティブ操作を前提とした機能です。スマホからはテキスト入力での操作になります。ただし、PC側でVoice Modeを有効にした状態でRemote Controlを使うことは可能で、PC側で音声入力+スマホからテキスト入力の併用ができます。
まとめ——Remote Controlで「場所を選ばない開発」を始めよう
Remote Controlの使い方は「/remote-controlでURLを発行し、スマホのブラウザでアクセスする」——この2ステップだけです。Auto Modeでタスクを自律実行させ、Voice Modeで音声指示を出し、Remote Controlで外出先からモニタリングする——2026年のClaude Codeは、PCの前に座っている時間だけが「開発時間」ではなくなりました。まずはオフィスのPCでRemote Controlを有効化して、スマホから「このプロジェクトの状態を教えて」と1つ指示を出してみてください。
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