Claude Codeの/loop機能は、定期的なタスクをCron(スケジューラー)のように自動実行する機能です。2026年3月にリリースされ、「毎週月曜にPRレビューを実行」「毎日デプロイ後にテストを走らせる」「毎週金曜にレポートを生成」のような定期タスクをClaude Codeに任せられるようになりました。本記事では/loopの仕組み、設定方法、実践的な活用パターンを解説します。
/loopとは——Claude Codeを「常駐ワーカー」に変える機能
従来のClaude Codeは「指示→実行→完了」の一回限りの対話でした。/loop機能を使うと、Claude Codeが「バックグラウンドで待機し、指定した条件やスケジュールで自動的にタスクを実行する」ワーカーに変わります。Cron(Linux/Macのスケジューラー)やGitHub Actionsの定期実行に近い感覚ですが、自然言語で設定できる点が大きな違いです。
/loopの基本的な使い方
定期実行の設定
Claude Codeのターミナルで「/loop」と入力すると、ループの設定画面が表示されます。実行間隔(毎時、毎日、毎週等)、実行するタスクの内容、実行条件(特定のファイルが変更されたとき等)を自然言語で記述します。たとえば「毎日朝9時に、mainブランチの最新コミットに対してテストスイートを実行し、結果をSlackの#dev-alertsチャンネルに投稿して」と記述するだけで、定期タスクが設定されます。
ループの管理
実行中のループは/loop listで一覧表示、/loop stop [ID]で停止、/loop edit [ID]で設定変更が可能です。ループの実行ログも確認できるため、タスクが正常に完了したか、エラーが発生したかを追跡できます。
実践的な活用パターン
パターン1:PRレビューの自動化
「新しいPRが作成されるたびに、コードをレビューしてコメントを投稿する」——GitHub連携と組み合わせると、PRのセキュリティチェック、コーディング規約の確認、テストカバレッジの評価を自動化できます。
パターン2:定期的なセキュリティスキャン
「毎週月曜の朝に、プロジェクト全体のセキュリティスキャンを実行し、脆弱性が見つかればIssueを作成する」——定期スキャンの自動化で、脆弱性の放置リスクを大幅に低減します。
パターン3:レポートの自動生成
「毎週金曜の17時に、今週のコミット数、PR数、マージ数、テストカバレッジ率を集計してMarkdownレポートを生成し、リポジトリのdocs/ディレクトリに保存する」——チームの開発生産性レポートを自動化します。
パターン4:デプロイ後の自動テスト
「mainブランチにマージされるたびに、ステージング環境にデプロイし、E2Eテストを実行する」——Hooksと組み合わせることで、CI/CDパイプラインをClaude Codeだけで構築できます。
パターン5:ドキュメントの自動更新
「APIのコードが変更されるたびに、READMEとAPIドキュメントを自動更新してPRを作成する」——ドキュメントの陳腐化を防ぐ効果的なパターンです。
/loopとAuto Modeの違い
Auto Modeは「1回のタスクをClaude Codeが自律的に完了する」モードで、/loopは「同じタスクを定期的に繰り返す」仕組みです。Auto Modeで自律実行するタスクを/loopでスケジュール化するのが、最も強力な組み合わせです。たとえば「毎日朝9時にAuto Modeで依存パッケージの脆弱性チェックを実行し、問題があれば自律的に修正PRを作成する」のような高度な自動化が実現します。
注意点
/loopで実行されるタスクはPC上のClaude Codeで動作するため、PCが起動している必要があります。PCをシャットダウンするとループも停止します。常時実行が必要なタスクの場合は、クラウドサーバー上でClaude Codeを動かすか、Remote Controlを使って外出先から管理する運用がおすすめです。
ループの実行間隔が短すぎると、API利用枠を急速に消費する可能性があります。特にProプランの場合は、ループの頻度と利用枠のバランスに注意してください。
/loopの設定パラメータ詳細
実行間隔の指定方法
/loopの実行間隔は自然言語で柔軟に指定できます。「毎時」「毎日朝9時」「毎週月曜の10時」「毎月1日」「mainブランチにプッシュがあるたびに」のように、時間ベースとイベントベースの両方に対応しています。Cronのような「0 9 * * 1」のような構文を覚える必要はなく、日本語で指定するだけでClaudeが適切なスケジュールを設定します。
条件付き実行
「テストが失敗した場合のみ通知する」「新しいPRが作成された場合のみレビューする」のように、条件を付けた実行も可能です。これにより不要な通知やアクションを減らし、本当に対応が必要なイベントだけに集中できます。
出力先の指定
ループの実行結果をどこに出力するかも指定できます。「結果をSlackに投稿」「レポートをGitHubのIssueとして作成」「ファイルとしてディレクトリに保存」など、MCP連携を活用すれば出力先を自由に設定できます。
/loopの高度な活用パターン
パターン:依存パッケージの自動アップデート
「毎週月曜の朝に、package.jsonの依存パッケージに脆弱性がないかチェックして、安全なアップデートがある場合は自動でアップデートしてPRを作成する」——このパターンはSecurity機能と組み合わせることで、セキュリティと保守性を同時に向上させます。依存パッケージの放置はセキュリティリスクの最大の原因の一つであり、/loopで自動化する効果は非常に大きいです。
パターン:コードカバレッジの定点観測
「毎日夕方にテストカバレッジ率を計測して、前日比で2%以上低下している場合はSlackの#dev-alertsに警告を投稿する」——テストカバレッジの低下は品質劣化のシグナルであり、早期検知が重要です。/loopで定点観測すれば、カバレッジの低下を即座にキャッチできます。
パターン:ドキュメントの鮮度チェック
「毎週金曜に、docs/ディレクトリ内のMarkdownファイルで最終更新が3ヶ月以上前のものをリストアップして、更新が必要なファイルの一覧をIssueとして作成する」——ドキュメントの陳腐化を防ぐ自動モニタリングです。
/loopのリソース管理と最適化
/loopで複数のタスクを同時にスケジュールすると、Claude Codeの利用枠を急速に消費する可能性があります。以下のベストプラクティスに従ってリソースを最適化してください。
優先度の高いタスクに絞る。「あれば便利」程度のタスクまで/loopに登録すると、利用枠を圧迫します。本当に自動化する価値のあるタスク(セキュリティスキャン、テスト実行、デプロイ確認)に絞ってください。
実行間隔を適切に設定する。「毎時」が本当に必要か検討してください。多くの定期タスクは「毎日」や「毎週」で十分です。セキュリティスキャンを毎時実行する必要はなく、毎日1回で十分なケースがほとんどです。
軽量モデルを指定する。/loopで実行するタスクの大半は、Opus 4.6ほどの推論能力を必要としません。Sonnet 4.6やHaiku 4.5をデフォルトに設定し、トークン消費を抑えてください。
Maxプランを検討する。/loopを本格的に活用するなら、Pro(月額20ドル)の利用枠では足りなくなる可能性があります。Max 5x(月額100ドル)にすることで、複数のループを安定して同時実行できるようになります。
/loopとCI/CDの関係——どちらを使うべきか
GitHub ActionsやCircleCIなどの既存CI/CDツールと/loopは役割が重複する部分があります。使い分けの基準はシンプルです。「コードの変更をトリガーにした定型処理」(ビルド、テスト、デプロイ)は既存CI/CDで十分です。「AIの推論が必要な処理」(コードレビュー、セキュリティ分析、ドキュメント生成、異常検知)は/loopの方が適しています。
両者を組み合わせるパターンが最も強力です。GitHub Actionsでビルド・テストを実行し、/loopでAIベースのコードレビューとセキュリティスキャンを追加する——のような階層構造です。GitHub連携とHooksの記事もあわせて参照してください。
/loopのモニタリングとデバッグ
実行ログの確認
/loop logs [ID]で実行履歴を確認できます。各実行の開始時刻、終了時刻、成功/失敗のステータス、消費トークン数が表示されます。失敗した実行がある場合はエラーの詳細も記録されているため、問題の原因特定が容易です。
一時停止と再開
/loop pause [ID]でループを一時停止、/loop resume [ID]で再開できます。メンテナンス作業中や大規模なリファクタリング中は、不要な自動実行を防ぐために一時停止しておくのが安全です。
通知の設定
ループの実行結果をTelegram/DiscordやSlack経由で通知することもできます。「テストが失敗した場合のみSlackに通知」のような条件付き通知を設定すれば、すべての成功通知で埋もれることなく、対応が必要なイベントだけをキャッチできます。
チームでの/loop運用ベストプラクティス
チームで/loopを活用する場合、誰がどのループを管理しているかを明確にすることが重要です。ループの命名規則(「[担当者名]-[タスク名]-[頻度]」など)を統一し、ループ一覧をチームのドキュメントに記録してください。担当者の異動や退職時にループの引き継ぎ漏れが発生すると、不要なループが稼働し続けて利用枠を無駄に消費する事態になります。
よくある質問
/loopは無料版でも使えますか
Claude Code自体がProプラン以上の機能であるため、/loopもPro以上のユーザーが対象です。
複数のループを同時に実行できますか
はい。複数のループを並行して設定・実行できます。ただしループの数が多いと利用枠の消費が増えるため、必要最小限のループ数に絞ることを推奨します。
まとめ
/loopはClaude Codeを「一回限りのアシスタント」から「常駐する自動化ワーカー」に進化させる機能です。PRレビュー、セキュリティスキャン、レポート生成、テスト実行などの定期タスクを自然言語で設定するだけで自動化できます。Auto Mode、Hooks、GitHub連携と組み合わせれば、開発チームの生産性を劇的に向上させるCI/CDパイプラインをClaude Codeだけで構築可能です。
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