2026年2月、AnthropicはClaude Code Securityをリリースしました。既存のコードベースをスキャンしてセキュリティ上の脆弱性を自動検出し、修正案まで提示するツールです。SQLインジェクション、XSS(クロスサイトスクリプティング)、認証の不備、依存パッケージの既知の脆弱性(CVE)、ハードコードされた秘密情報、安全でないHTTP通信——こうしたリスクをClaude Codeが自律的に発見し、リスクレベルの判定と修正コードの提案までを一気通貫で行います。
Claude Code Securityが従来のセキュリティツールと違う理由
SonarQube、Snyk、Semgrepといった従来の静的解析ツールは、あらかじめ定義されたルールのパターンマッチングで脆弱性を検出します。これはルール通りのパターンには強いですが、コードの「文脈」を理解しません。たとえば「この入力はバリデーション済みの社内APIからしか来ないのでXSSリスクは実質ゼロ」といった判断はルールベースのツールにはできず、結果として大量の誤検出(フォールスポジティブ)が発生し、開発者の時間を浪費します。
Claude Code Securityはコードの文脈を理解した上でリスク判定を行います。関数の呼び出し元を追跡し、データフローを解析し、アプリケーション全体のアーキテクチャを把握した上で「この脆弱性は実際に悪用可能か」を判断します。これにより誤検出が大幅に減り、本当に対処が必要な脆弱性に集中できます。
Claude Code Securityの主要機能
機能1は「静的コード解析」です。ソースコード全体を走査し、セキュリティリスクのあるパターンを検出します。対象はSQLインジェクション(ユーザー入力の未サニタイズ)、XSS(エスケープなしのHTML出力)、CSRF(トークン未検証のPOSTリクエスト)、パストラバーサル(ファイルパスの未検証)、認証・認可の不備(アクセスコントロールの欠如)、ハードコードされたパスワードやAPIキーなどです。
機能2は「依存関係の脆弱性チェック」です。package.json(Node.js)、requirements.txt(Python)、Gemfile(Ruby)、go.mod(Go)などの依存管理ファイルを解析し、使用しているライブラリに既知の脆弱性(CVE)がないかを確認します。脆弱性が見つかった場合は、安全なバージョンへのアップグレード提案も行います。
機能3は「修正提案の自動生成」です。検出された脆弱性に対して、具体的な修正コードを提案してくれます。「この行のユーザー入力にバリデーションを追加します」「このSQL文をパラメータ化クエリに書き換えます」のように、そのまま適用可能な修正diff(差分)が生成されます。開発者はdiffをレビューして承認するだけです。
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使い方——セキュリティ監査の実行手順
Claude Codeがインストールされた状態で、対象プロジェクトのルートディレクトリに移動し、Claude Codeを起動します。基本的な使い方は「このプロジェクトのセキュリティ監査をして」と自然言語で指示するだけです。Claude Codeがファイルを走査し、検出された脆弱性をリスクレベル(Critical / High / Medium / Low)別にレポートとして出力します。
対象を限定した監査も可能です。「src/auth/ディレクトリの認証ロジックをセキュリティ観点でレビューして」「このPR(プルリクエスト)の変更箇所にセキュリティリスクがないかチェックして」「依存パッケージのCVE情報を確認して」のように、スコープを絞った指示が効果的です。
さらにHooks機能と組み合わせると、Git commitの前に自動でセキュリティチェックを実行するpre-commitフックを構築できます。脆弱性が検出された場合はcommitをブロックし、修正を促すワークフローが実現します。GitHub連携によるPR作成時の自動セキュリティレビューも可能です。
従来ツールとの使い分け
Claude Code Securityは既存のセキュリティツールの完全な代替ではなく、補完的に使うのが推奨されます。SonarQubeやSnykなどのルールベースツールは「ルール通りの脆弱性を漏れなく検出する」ことが得意で、特にCI/CDパイプラインに組み込んで自動的に全コードをスキャンする用途に向いています。Claude Code Securityは「文脈を理解した高度な判断」が得意で、ルールベースでは検出が難しいビジネスロジックの欠陥やアーキテクチャレベルのセキュリティリスクに威力を発揮します。最も効果的なアプローチは、CI/CDではSnykやSonarQubeでベースラインスキャンを行い、コードレビュー時にClaude Code Securityで補完的な深堀り分析を行う——という2層構造です。
注意点と限界
Claude Code Securityはあくまでソースコードの静的解析であり、実行時の脆弱性(ランタイムエラー、環境依存の問題)は検出できません。動的解析(DAST)やペネトレーションテストは従来どおり別途実施してください。また、Claude Codeの回答にはハルシネーション(誤った情報の生成)のリスクが伴うため、セキュリティに関する修正提案は必ず人間のレビューを経てから適用してください。特にCritical/Highリスクの脆弱性に対する修正は、セキュリティの専門知識を持つエンジニアの確認を推奨します。
よくある質問
Claude Code SecurityはClaude Coworkでも使えますか
2026年3月時点ではClaude Code専用の機能です。Claude CoworkはGUIベースの非技術者向けツールであり、コードベースの解析はClaude Codeの領域です。
対応しているプログラミング言語は
Claude Codeが理解できる言語はすべて対象です。Python、JavaScript/TypeScript、Java、Go、Ruby、PHP、C/C++、Rust、Kotlinなど主要言語に対応しています。フレームワーク固有のセキュリティパターン(RailsのCSRF対策、DjangoのSQLインジェクション対策等)も認識します。
社内のプライベートリポジトリのコードを送信しても安全ですか
Claude Codeの通常の利用と同じセキュリティポリシーが適用されます。Pro以上のプランではコードデータがモデルの学習に使用されないことが保証されています。Enterpriseプランではより厳格なデータ保持ポリシーが適用されます。詳細は法人セキュリティガイドを確認してください。
まとめ
Claude Code Securityは、コードの文脈を理解した上でセキュリティリスクを判定し修正コードまで提案する、従来のルールベースツールとは一線を画すセキュリティ監査機能です。誤検出が少なく、本当に対処すべき脆弱性に集中できるのが最大のメリットです。既存のCI/CDセキュリティツールと組み合わせることで、多層的な防御体制を構築してください。まずは「このプロジェクトのセキュリティ監査をして」の一言から始められます。