構造化データはもう効かない?2026年GEOの内部・外部対策

構造化データはもう効かない?2026年GEOの内部・外部対策

齊藤一樹
この記事を書いた人 齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

結論: 構造化データは「効かなくなった」のではなく、効く場所が変わりました。2026年5月7日、GoogleはFAQリッチリザルトの表示を終了し、Search Consoleのレポートも順次廃止されます。検索結果で表示枠を取るための施策としてのFAQスキーマは、ここで役目を終えました。一方でGoogleは「AI OverviewsやAI Modeに特別なスキーマは不要」としており、構造化データの役割は企業・著者・商品といった情報の曖昧さを減らす土台づくりへ移っています。そして2026年のGEOで数字がはっきり出ているのは外部対策です。Ahrefsが75,000ブランドを調べた調査では、AI Overviewsでの言及と最も相関が強かった要素は、自社サイト内の要素ではなくブランドの言及数(相関0.664)でした。被リンクは0.218です。内部対策は「減点されない状態をつくる守り」、外部対策は「引用されるための攻め」——これが2026年の実務的な整理です。

「FAQスキーマを入れていたのに、検索結果の表示が消えた」「構造化データはもう意味がないのでは」——2026年5月のGoogleの変更以降、こうした相談が明らかに増えました。

結論を先に言えば、終わったものと残ったものを混同しないことが重要です。本記事では、何が廃止されて何が有効なままなのかを一次情報で整理し、2026年のGEOにおける内部対策と外部対策の優先順位を実務ベースでまとめます。

🧭 目的別ガイド

・JSON-LDの実装手順を知りたい → AIO対策の構造化データ実装ガイド
・AI検索対策の全体像 → LLMO対策のやり方10手順
・既存記事を直したい → GEOリライト6ステップ

2026年5月、Googleが終わらせたもの

まず事実を時系列で押さえます。FAQリッチリザルトの廃止は突然の出来事ではなく、3年がかりで進んだ縮小の最終段階でした。

時期 内容
2023年8月 FAQリッチリザルトの対象を、政府・医療系など一部の権威あるサイトに限定
2023年9月 HowToリッチリザルトをデスクトップで廃止
2025年6月 利用が広がらなかった7種類の構造化データ表示を終了
2026年5月7日 FAQリッチリザルトの表示を全面終了(残っていた政府・医療系も対象外に)
2026年6月 Search Consoleの検索での見え方フィルタ、リッチリザルトレポート、リッチリザルトテストのサポートを終了
2026年8月 Search Console APIでのFAQリッチリザルト対応を終了

この変更に、Googleからのブログ記事による発表はありませんでした。開発者向けドキュメントの冒頭に注記が追加されただけです。SEO業界の反応は真っ二つに割れ、「FAQスキーマは死んだ」という主張と「AI検索のためにこれまで以上に重要だ」という主張が同時に出ましたが、どちらも正確ではありません

Googleが明示しているのは次の2点です。既存のマークアップは削除しなくてよいこと。そして、他の検索エンジンが独自の用途でそれを処理し続ける可能性があること。つまり廃止されたのは「Google検索での表示」という出口だけで、FAQPageというスキーマ自体は今も有効な仕様として存在しています。

では構造化データは「効かない」のか

効果の置き場所が変わった、というのが実態に近い表現です。3つの層に分けると整理できます。

どこに効くか 2026年の状態
検索結果の表示枠(リッチリザルト) FAQとHowToは価値がゼロに。Product、パンくず、レビューなどは継続
GoogleのAI(AI Overviews・AI Mode) Googleは「特別なスキーマは不要」と明言。ただし企業・著者・商品を誤解なく識別させる補助としては機能する
外部のLLM(ChatGPT・Claude・Perplexityなど) 回答生成時にJSON-LDを解釈しているとは限らないという指摘がある。可視テキストの読み取りが中心

ここで注意したいのは、「構造化データを入れたからAIに引用された」という因果関係は、公開されている情報の範囲では確認されていないという点です。実装コストが低く副作用もないため入れない理由はありませんが、GEOの投資判断としてここを主戦場に据えるのは適切ではありません。

内部対策:2026年も残る構造化データの役割

守りの施策として実装すべきスキーマを、優先度つきで整理します。

スキーマ 2026年の役割 優先度
Organization 企業・ブランドを一意に識別させる。すべての土台
Article / BlogPosting 著者・公開日・更新日を機械可読にする。鮮度と責任の所在を示す
BreadcrumbList リッチリザルトは継続。サイト構造をそのまま伝える
Product ECでは引き続き有効。価格・在庫の明示 高(EC)
LocalBusiness 店舗・地域ビジネスの識別。住所と営業時間 高(店舗)
FAQPage 表示枠は消滅。他エンジン向けに残す判断はあり

実装で守るべき原則は1つだけです。マークアップに書く内容は、ページ上に見えている内容と一致させること。表示していない情報をスキーマにだけ書くと、スパム的な構造化データとして扱われる可能性があります。ここは自動生成プラグインを使っているサイトほど崩れやすいので、公開前に必ず目視で確認してください。

内部対策:構造化データより効く3つのこと

限られた工数をどこに使うかを考えると、優先順位は明確です。AIは最終的にページ上の文章そのものを読んでいます。

1. 冒頭で結論を言い切る

記事の先頭に、質問に対する答えを2〜4文で置きます。AIはページ全体を均等に読むわけではなく、冒頭の要約を引用元として抜き出す傾向があります。詳しくはアンサーカプセルの作り方8手順で解説しています。

2. 見出しを質問の形に揃える

「機能一覧」ではなく「何ができるのか」、「料金」ではなく「いくらかかるのか」。AI検索の入力は自然文の質問なので、見出しが質問文に近いほど照合されやすくなります。FAQリッチリザルトが消えた今も、この構造は本文側で作る価値があります。

3. 数字・固有名詞・出典の密度を上げる

「多くの企業が導入しています」ではなく「調査対象75,000ブランドのうち約26%は言及ゼロでした」と書く。検証可能な記述はAIが引用しやすく、引用された際に情報が壊れにくいという利点もあります。

外部対策:効果の主戦場はサイトの外に移った

ここが2026年の最大の論点です。Ahrefsが75,000ブランドを対象に、AI Overviewsでの言及と各要素の相関を調べた調査があります。結果は次のとおりでした。

要素 AI検索での言及との相関
YouTube上での言及 約0.737(追加調査で最も強い相関)
ブランドの言及数(リンクなしを含む) 0.664
ブランド名を含むアンカーテキスト 0.527
指名検索のボリューム 0.392
被リンク 0.218

調査手法も確認しておきます。ドメイン評価40超のドメインに絞り、月間検索ボリューム800以上の最上位キーワードを対象としたうえで、数百万件のAI Overviews応答を分析したものです。対象ブランドの約26%はAI Overviewsでの言及がゼロで、残る約74%が分析対象になっています。

ただし、この数字の読み方には注意が必要です。Ahrefs自身が、今回調べたすべての要素はスピアマンの相関係数として中程度から非常に弱い範囲にとどまると明記しています。相関であって因果ではありません。YouTubeの相関が突出しているのも、AI OverviewsとAI ModeがGoogle傘下で、YouTubeを他のどのドメインよりも多く引用しているという構造的な事情が絡んでいます。

それでも読み取るべき点があります。上位を占めた要素が、すべて自社サイトの外にあったことです。被リンクという従来の外部対策の主役が最下位だった点も含めて、AI検索が見ているのは「このブランドが世の中でどれだけ語られているか」だと考えるのが自然です。サイテーションの考え方は被リンク・サイテーションの重要性もあわせてご覧ください。

中小企業が今日から打てる外部対策4つ

1. 第三者メディアに名前を載せる

プレスリリースの配信、業界メディアへの寄稿、取材対応。リンクの有無は問いません。ブランド名がテキストとして書かれること自体に意味があります。予算が限られる場合、リンク獲得の交渉より掲載機会の確保を優先してください。

2. 比較・レビューサイトの掲載情報を整える

自社が掲載されている比較サイトやレビューサイトの記載を確認し、事実と違う点があれば運営元に修正を依頼します。AIはこうした第三者の記述をそのまま引用するため、古い価格やサービス内容が残っていると、その誤りごと拡散されます。

3. 一次データを公開する

自社でしか出せない調査結果、導入実績の数値、現場の統計。他社が引用する形で言及が増えていく、最も再現性の高い方法です。規模は小さくて構いません。「自社顧客50社に聞いた」でも一次データです。

4. 指名検索を増やす

展示会、セミナー、SNS、既存顧客からの紹介。オフラインを含めた接点が指名検索を生み、それがAI検索での認知につながります。相関は0.392と上位3要素には及びませんが、他の施策と連動して積み上がる性質があります。

内部・外部の優先順位とロードマップ

限られたリソースで進める場合の順序です。内部対策は短期で完了させ、時間のかかる外部対策に早く着手するのが要点になります。

フェーズ やること 位置づけ
第1段階(〜1か月) Organization・Article・BreadcrumbListを実装。表示内容との一致を確認 守り
第2段階(1〜3か月) 冒頭の結論、質問形の見出し、数字と出典を主要記事に追加 攻めの下地
第3段階(3〜6か月) 第三者メディア掲載、レビューサイト整備、一次データの公開 攻め
第4段階(継続) AI検索での引用状況を定点観測し、改善対象を特定 検証

第4段階の計測方法はGA4でAI検索の流入を計測する3つの設定GEO対策の効果測定|追うべき5つのKPIで解説しています。

GEO Hack Suite

「言及されているか」を、感覚ではなく数字で持つ

外部対策は効果が見えにくく、続かないのが最大の壁です。GEO Hack SuiteはChatGPT・Gemini・Google AI概要での引用状況を週次で自動計測し、改善すべき記事を特定できます(Perplexity・Claudeは順次対応予定)。

資料を無料でダウンロード →

機能・導入ステップをまとめたPDF(全14ページ)。会社名・お名前・メールのみでダウンロードできます。

よくある質問(FAQ)

Q. 構造化データはもう入れなくていいのですか?

入れてください。終わったのはFAQリッチリザルトという「検索結果での見た目」であって、構造化データという仕組み自体ではありません。Organization・Article・BreadcrumbListは現在も有効で、企業名・著者・公開日といった情報を機械が誤解なく読み取るための土台になります。ただし2026年時点で、構造化データを入れたからAIに引用される、という因果関係は公開情報では確認されていません。守りの施策として実装し、投資の主軸は別に置くのが妥当です。

Q. FAQPageのマークアップは削除すべきですか?

削除は不要です。Googleは既存のコードをそのまま残して構わないとしており、他の検索エンジンが独自の用途で処理を続ける可能性にも触れています。エラーや手動対策の対象になることもありません。ただし、ページ上に表示されていないQ&AをFAQPageにだけ書いている場合は要注意です。表示内容と一致しないマークアップは、スパム的な構造化データとして扱われる可能性があります。

Q. FAQのコンテンツ自体も不要になりましたか?

いいえ、むしろ重要度は上がっています。消えたのは表示枠だけで、質問と答えが明快に並んだ文章はAIが引用しやすい形式のままです。AI検索は「〜とは」「〜の違いは」といった問いに答える形で情報を集めるため、記事内に質問形の見出しと簡潔な答えを置く構成は引き続き有効です。マークアップではなく本文で成立させてください。

Q. ChatGPTやPerplexityは構造化データを読んでいますか?

確実に読んでいるとは言えません。回答生成の際にJSON-LDを解釈しているとは限らず、可視テキストを中心に読み取っているという指摘があります。Google自身のAI OverviewsやAI Modeは検索インフラを共有するぶん構造化データの恩恵を受けやすい一方、外部のLLMでは前提が異なります。どちらに対しても効くのは、ページ上に見えている文章の質と構造です。

Q. 外部対策は具体的に何から始めればよいですか?

第三者メディアへの掲載から始めるのが現実的です。プレスリリースの配信、業界メディアへの寄稿や取材対応、比較・レビューサイトの掲載情報の整備が入口になります。あわせて、自社でしか出せない数値やアンケート結果を公開すると、他社が引用する形で言及が増えていきます。リンクの有無は問いません。ブランド名がテキストとして書かれること自体に意味があります。

Q. 外部対策の効果はどれくらいで出ますか?

3〜6か月が目安です。AIが参照する情報源が更新され、モデル側にも反映されるまでに時間差があるためです。内部対策が数週間から1か月程度で反映されるのに比べると、外部対策は明確に遅効性です。だからこそ、内部対策を短期で終わらせて外部対策に着手する順序が重要になります。効果はAI検索での引用状況を定点観測して確認してください。

無料 GEO診断

御社は今、AIに「おすすめ」として紹介されていますか?

主要キーワード3個で、ChatGPT・Perplexity・Google AI Modeでの引用状況を無料でチェック。30分のオンラインで結果と改善の方向性をお伝えします(診断費用は一切かかりません)。

無料でGEO診断を受ける →

まとめ

2026年5月にGoogleが終わらせたのは、FAQリッチリザルトという表示枠であって、構造化データという仕組みではありません。Organization・Article・BreadcrumbListは今も実装すべきですし、マークアップと表示内容を一致させる原則も変わっていません。

変わったのは重心です。内部対策は1か月で終わらせる守りと割り切り、余った工数を外部対策に回す。Ahrefsの調査でAI検索での言及と相関が強かった要素が、すべて自社サイトの外にあった以上、ここが2026年の主戦場です。

そして外部対策は効果が出るまで3〜6か月かかります。着手が早いほど有利——構造化データの実装に時間をかけすぎているサイトほど、この差が開いていきます。

参考・出典

  • Google 検索セントラル「FAQ(FAQPage、Question、Answer)の構造化データ」開発者向けドキュメント注記(2026年5月7日)
  • Search Engine Land「Google to no longer support FAQ rich results」(2026年5月8日)記事はこちら
  • Ahrefs「Branded Web Mentions Correlate With AI Overview Mentions」75,000ブランド調査 記事はこちら
  • Ahrefs「AI brand visibility correlations」追加調査(YouTube言及を含む)記事はこちら
  • 当社の運用実務における知見

関連記事

外部対策に手が回っていない方へ

まず現状把握からです。GEO Hack SuiteはAI検索での引用状況を計測し、改善すべき記事を特定できます。機能をまとめた資料(PDF全14ページ)を無料でお渡ししています。

資料を無料でダウンロード →

この記事を書いた人
齊藤一樹
齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

株式会社仁頼 代表取締役。横浜市在住。 2018年からデジタルマーケティング業界に携わり、Google広告・SEO・コンテンツマーケティングを中心に8年以上の実務経験を持つ。これまでに制作した記事は9,000本以上、70名を超える専門ライターとのチーム体制で、幅広い業界のWebマーケティングを支援してきた。 2022年9月に株式会社仁頼を設立。「受けた御恩を忘れず、信頼を得られるよう迅速かつ最適な対応をする」という信念のもと、SEO・広告運用・サイト制作などのマーケティング支援を行っている。 近年は、ChatGPTやPerplexityなどのAI検索でサイトが引用される「GEO(生成エンジン最適化)」の分野にいち早く注力。自社サービス「GEO Hack」を通じて、AI時代の新しい集客手法を企業に提供している。 「難しいことをわかりやすく、小さな会社にも大きな成果を」をモットーに、日々クライアントと伴走中。

← NoimosAIの料金・評判|$99〜3プランとGEO機能

お気軽にお問い合わせください

デジタルマーケティングに関するお悩み、お気軽にお聞かせください。
仁義と信頼をもって、最適なご提案をいたします。

※ オンライン対応可。横浜・東京エリアは対面打ち合わせも可能です。

バナー