結論
2026年8月19日、Claude APIにブラウザ操作ツール(browser use)が登場しました。同日、computer useもベータを卒業しています。両者の違いは操作対象です。computer useはデスクトップ全体、browser useはブラウザの中だけ。browser useはページの構造そのものを読むため、スクリーンショットと座標クリックに頼らない操作ができます。Web業務の自動化では、こちらのほうが安定します。
AnthropicはAIにコンピュータを操作させる機能を段階的に整備してきました。2026年8月19日の更新で、この領域が大きく前進しています。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年8月19日 | browser use ツールを新規リリース(browser_toolset_20260801) |
| 2026年8月19日 | computer use がベータを卒業(computer_toolset_20260801) |
| 2026年8月20日 | 両ツールがGoogle Cloud(Vertex AI)でも利用可能に |
computer use と browser use の違い
名前が似ていますが、設計思想が異なります。
| 項目 | computer use | browser use |
|---|---|---|
| 操作対象 | デスクトップ全体 | ブラウザのビューポート内 |
| 認識方法 | スクリーンショットを見る | ページ自体を読む(アクセシビリティツリー、要素、フォーム、タブ) |
| 操作方法 | 座標を指定してクリック | 要素を参照して操作(+従来のクリックも可) |
| ブラウザの提供 | 環境側 | 自分のアプリケーションでホストする |
| 向く用途 | デスクトップアプリの操作、ファイル操作 | Webサービスの操作、フォーム入力、情報収集 |
なぜbrowser useのほうが安定するのか
座標クリックは壊れやすいからです。
スクリーンショットを見て「ここをクリック」と判断する方式では、画面解像度、ウィンドウサイズ、フォント設定、レイアウトの微修正——こうした変化のたびに座標がずれます。
browser useはページの構造を直接読みます。「送信ボタン」という要素を参照して操作するため、位置が変わっても動きます。Webの自動化においては、こちらのほうが再現性が高くなります。
browser use でできること
公式が挙げている機能は次のとおりです。スクリーンショットとクリックによる制御に、以下が上乗せされます。
要素の参照 ページ上の要素を指定して操作できます
フォーム入力 入力欄への記入を構造的に扱えます
タブ管理 複数タブをまたぐ操作に対応します
ダウンロードの報告 ファイルのダウンロードを検知します
ファイルアップロード オプトイン方式で有効化できます
ブラウザは自分のアプリケーション側で用意します。Anthropicがブラウザを提供するのではなく、こちらのホストする環境をClaudeが操作する形です。実行環境を自分で管理できるため、認証情報の扱いやネットワーク制御を自社の方針に合わせられます。
computer use のベータ卒業で変わったこと
正式版の computer_toolset_20260801 では、次の点が変わりました。
- ベータヘッダーが不要になりました
- バッチアクション——1ターンで複数の操作をまとめて実行できます
- zoomが既定で有効になりました
configsによるメンバー単位の設定が可能になりました
バッチアクションは実務上の意味が大きい変更です。従来は1操作ごとにモデルとの往復が発生していましたが、まとめて送れることでレイテンシとトークン消費が減ります。
移行時の注意
既存の実装を computer_20251124 から computer_toolset_20260801 にアップグレードすると、リクエストの形式とツールの扱いが変わります。公式に移行ガイドが用意されているので、そちらを参照してください。なお従来のベータ版も引き続き利用可能です。急ぎでなければ、検証してから移行できます。
対応モデルと提供先
両ツールとも、次のモデルで利用できます。
- Claude Fable 5
- Claude Mythos 5
- Claude Opus 5
- Claude Sonnet 5
- Claude Opus 4.8
提供先はClaude APIに加え、2026年8月20日からGoogle Cloud(Vertex AI)でも利用可能になりました。リクエストの tools エントリはClaude APIと同じ形式です。
どちらを選ぶべきか
browser use を選ぶ場合
操作対象がWebサービスに限られる。フォーム入力、管理画面の操作、複数サイトからの情報収集。再現性を重視する
computer use を選ぶ場合
デスクトップアプリを操作する必要がある。ローカルファイルの扱いが絡む。ブラウザ外の処理を含む
Web業務の自動化であれば、browser useから検討するのが妥当です。座標依存を避けられる分、運用が安定します。
よくある質問
Claude in Chrome とは何が違いますか
Claude in Chromeはブラウザ拡張機能として提供される製品で、ユーザーが自分のブラウザでClaudeに操作を任せるものです。browser useはAPI上のツールで、自社アプリケーションに組み込んで使います。目的が異なります。
ブラウザは自分で用意する必要がありますか
はい。browser useは「アプリケーションがホストするブラウザを操作するためのクライアントツールセット」と説明されています。実行環境はこちらで用意します。
既存のcomputer use実装は動かなくなりますか
いいえ。従来のベータ版も引き続き利用可能と明記されています。ただし正式版へアップグレードする場合は、リクエスト形式が変わるため移行ガイドの確認が必要です。
ファイルアップロードは既定で使えますか
いいえ。オプトイン方式です。明示的に有効化する必要があります。意図しないファイル送信を防ぐ設計と考えられます。
出典
- Claude Platform release notes「August 19, 2026」「August 20, 2026」
https://platform.claude.com/docs/en/release-notes/overview
※本記事は2026年8月29日時点の公式リリースノートにもとづいています。仕様は変更される可能性があるため、実装前に公式ドキュメントをご確認ください。
あわせて読みたい|2026年のClaudeモデル運用
無料相談|生成AI導入支援
モデル選定とコスト試算、
まとめてご相談ください
株式会社仁頼|ヒアリング無料・しつこい営業はいたしません
▸ 用途別のモデル選定と月額コストの試算
▸ 既存の実装からの移行手順とテスト設計
▸ チームで使うための権限・ログ・セキュリティ設定