結論
Claude Sonnet 4.6からSonnet 5へモデル名を書き換えただけでは、コードが400エラーで止まる可能性があります。破壊的変更は3つ。①adaptive thinkingが既定オン ②手動のthinking budget指定がエラー ③temperature等の指定がエラーです。いずれも該当箇所を削除すれば解決します。移行前に確認すべき点を順に解説します。
Claude Sonnet 5は2026年6月30日にリリースされました。コンテキストは100万トークン、最大出力は12万8千トークン、価格は $2 / $10 per MTok です。
公式ドキュメントには「Sonnet 4.6と同じツールとプラットフォーム機能をサポートする」と書かれていますが、リクエストのパラメータには3つの破壊的変更があります。既存の実装をそのまま流用すると動きません。
破壊的変更1|adaptive thinkingが既定でオンになった
Sonnet 5ではadaptive thinking(適応的思考)が既定で有効です。明示的に指定しなくても、モデルが必要と判断したときに推論を行います。
これ自体はエラーを起こしませんが、出力トークン数と応答時間に影響します。思考した分のトークンは課金対象です。
コスト試算をしている場合、Sonnet 4.6の実績値をそのまま使うと下振れします。実際のリクエストで usage.output_tokens_details.thinking_tokens を確認し、思考にどれだけ使われているかを測ってください。このフィールドは2026年5月27日から提供されています。
破壊的変更2|手動のthinking budget指定が400エラーになる
ここが最も引っかかりやすい変更です。
エラーになる書き方
thinking: {type: "enabled", budget_tokens: N}
この指定はSonnet 4.6の時点で非推奨とされていましたが、Sonnet 5では削除され、400エラーを返します。警告ではなくエラーです。
対応は単純で、該当箇所を削除するだけです。adaptive thinkingが既定でオンになっているため、指定しなくても推論は行われます。
思考の深さを制御したい場合は、budget_tokens の代わりにeffortパラメータを使います。effortは2026年2月5日にベータヘッダー不要となり、新しいモデルでの標準的な制御方法になりました。
破壊的変更3|サンプリングパラメータの指定が400エラーになる
temperature、top_p、top_k を既定値以外に設定すると400エラーになります。
これはSonnet 5に限った話ではありません。Claude Opus 4.7とOpus 4.8でも同じ挙動で、新しい世代のモデルに共通する仕様変更です。
出力のばらつきをtemperatureで制御していた実装は、書き直しが必要になります。代替としては次の方法があります。
- プロンプトで明示する——「候補を3案出す」「1つに絞る」など、期待する挙動を言葉で指定する
- structured outputs を使う——スキーマに従った出力を保証する。2026年1月29日にベータを卒業しています
- effortで調整する——思考の深さを変えることで、出力の丁寧さが変わります
移行の手順
1. コード内で budget_tokens を検索し、該当箇所を削除する
2. temperature、top_p、top_k を検索し、既定値以外の指定を削除する
3. Priority Tier を使っている場合は、Sonnet 5では利用できないため代替を検討する
4. トークンカウントAPIで、プロンプトのトークン数を移行前後で比較する(約30%増えます)
5. 少量のトラフィックで動作とコストを確認してから、全面切り替えする
4番のトークン増加についてはSonnet 5の値上げ撤回とトークン30%増で詳しく解説しています。
あわせて確認したい点
Priority Tierが使えない
公式リリースノートには「Sonnet 4.6と同じツールとプラットフォーム機能をサポートする。ただしPriority Tierは除く」と明記されています。Sonnet 4.6でPriority Tierを使っていた場合は、移行前に代替を検討してください。
プロンプトの書き方が変わる可能性
公式はSonnet 5向けのプロンプティングガイドを別途用意しています。モデル世代が変わると、有効なプロンプトの書き方も変わることがあります。既存のプロンプトが期待どおりに動くかは、移行時に必ず検証してください。
よくある質問
モデル名を書き換えるだけでは動きませんか
実装によります。budget_tokens や temperature を指定していなければ、モデル名の変更だけで動きます。指定している場合は400エラーになるため、削除が必要です。
temperatureが使えないと、出力のばらつきを制御できませんか
パラメータでの制御はできなくなりますが、プロンプトでの明示、structured outputs、effortパラメータで代替できます。多くのユースケースでは、プロンプトで期待する挙動を書くほうが確実です。
adaptive thinkingをオフにできますか
Sonnet 5では、この記事の執筆時点で公式に無効化の方法は案内されていません。なおClaude Fable 5とMythos 5では adaptive thinking が唯一の思考モードで、thinking: {"type": "disabled"} はサポートされていません。Opus 5では effort が high 以下のときのみ無効化できます。
Sonnet 4.6はいつまで使えますか
本記事の執筆時点(2026年8月29日)で、Sonnet 4.6の廃止は告知されていません。ただしAnthropicはモデルの廃止を定期的に実施しており、Sonnet 4とOpus 4は2026年6月15日に、Opus 4.1は8月5日に廃止済みです。移行の準備は早めに進めることをおすすめします。
出典
- Claude Platform release notes「June 30, 2026」「May 27, 2026」「February 5, 2026」
https://platform.claude.com/docs/en/release-notes/overview
※本記事は2026年8月29日時点の公式リリースノートにもとづいています。仕様は変更される可能性があるため、実装前に公式ドキュメントをご確認ください。
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