建設業のSEO対策|「工事名×地域」と施工事例で受注につなげる方法

建設業のSEO対策|「工事名×地域」と施工事例で受注につなげる方法

齊藤一樹
この記事を書いた人 齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

結論

建設業のSEOで最も効くのは、「工事名 × 地域」で1ページずつ作ることです。「建設会社」のような大きな語を狙っても、大手ポータルに勝てません。加えて2026年は、施工事例と有資格者情報をテキストで書けているかが分かれ目になります。AI検索が回答を作るとき、PDFや画像の中の情報は存在しないものとして扱われるためです。

建設業のウェブ集客は、他業種と前提が違います。商圏が地理的に限られ、1件あたりの受注額が大きく、検討期間が長い。この3条件が揃うと、アクセス数を追う施策はほぼ機能しません

本記事では、建設業(総合建設・専門工事・リフォーム・住宅)のウェブ担当者に向けて、①何から着手すべきか ②なぜ大きなキーワードを狙ってはいけないのか ③2026年に変わった点 ④外注する場合の判断基準、を整理します。

建設業のSEOは何から始めるべきか

結論は「工事の種類 × 地域」で個別ページを作ることです。

建設業の見込み客は、「建設会社」とは検索しません。実際に打たれるのは次のような語です。

検索される語の型 受注の近さ
工事名 × 地域 外壁塗装 横浜市/擁壁工事 神奈川 近い
困りごと × 地域 雨漏り 修理 相模原/地盤沈下 補修 最も近い
費用・相場 外壁塗装 費用 30坪/解体工事 坪単価
資格・許可 建設業許可 確認/一級建築士 いる会社
大きな語 建設会社/工務店 遠い

最後の「大きな語」は、検索数こそ多いものの、上位を占めるのは比較ポータルと大手企業です。数百ページ規模のサイトが相手なので、中小の建設会社が正面から取りにいくのは現実的ではありません。仮に取れても、その語で検索する人は業者選定の初期段階にいるため、問い合わせに直結しません。

まず作るべきページの構成

優先順に並べると次のようになります。

1. 工事種別ページ:自社が請ける工事ごとに1ページ。何ができるか、対応範囲、工期の目安、費用の考え方を書く

2. 対応エリアページ:主要な市区町村ごとに1ページ。その地域での施工事例を必ず載せる

3. 施工事例:1件1ページ。工期・費用・工法・地域を数値で書く

4. 会社情報:建設業許可番号、有資格者の人数と種類、加入保険、施工実績件数

5. 費用の解説:相場と、金額が変わる要因を説明する

「エリアページを量産すればよい」という話ではありません。地名だけ差し替えた中身の同じページを大量に作ると、評価が分散するうえ、Googleのスパムポリシーに抵触するおそれがあります。エリアページはその地域の施工事例が書けるところだけ作ってください。

なぜ施工事例が最も重要なのか

建設業のサイトで、施工事例は最も価値の高いコンテンツです。理由は3つあります。

1つ目は、検索語との一致度です。「外壁塗装 30坪 費用」で検索する人にとって、実際に30坪の物件を施工した事例は、一般的な解説より役に立ちます。

2つ目は、地域との結びつきです。「横浜市青葉区 擁壁工事」のような語は、その地域での施工実績があるページでなければ書けません。競合が真似できない差別化になります。

3つ目は、E-E-A-Tの「E(経験)」に直結することです。Googleは誰が書いたか、実際にやったことがあるかを評価します。施工事例は、経験そのものの証明になります。

ただし、書き方を間違えると効きません

よくあるのが、写真だけを並べた施工事例です。ビフォーアフターの写真と「◯◯様邸 外壁塗装」という一行だけ、という形です。

これでは検索エンジンにもAIにも何も伝わりません。次の項目をテキストで書いてください。

  • 工事の種類と工法(使用材料の製品名まで)
  • 物件の条件(築年数、面積、構造、階数)
  • 工期(着工から完了まで何日)
  • 費用(総額または坪単価。幅を持たせても構わない)
  • 地域(市区町村まで)
  • 依頼のきっかけと、現地で確認した状態
  • 施工中に判明した問題と、その対処

とくに費用と工期の数値は重要です。2026年に公表された対照実験では、価格が具体的な金額で書かれていることが、AIに引用されるかどうかに桁違いの影響を与えることが示されました(252,000試行・6つのLLM/SIGIR 2026採択論文)。逆に仕様が書かれていないことは大きな不利に働きます。

2026年、建設業のSEOで変わったこと

AI検索は、画像とPDFの中身を読めない

ここが最大の変化です。

ChatGPTやGoogleのAI要約が回答を作るとき、参照するのはページ内のテキストです。主要なAIクローラーはJavaScriptを実行せず、画像やPDFの中身も基本的に読み取りません。

建設業のサイトは、この点で不利になりがちです。施工事例が画像のみ、対応工事一覧がPDFカタログ、料金表が画像——という作りをよく見かけます。これらはAIから見ると存在しないのと同じです。

対応は単純で、PDFや画像に書かれている情報を、HTMLのテキストとして同じページに載せることです。PDFを消す必要はありません。テキスト版を併記してください。

「〜とは」「費用はいくら」型の質問に答えられているか

日本語検索でAI要約が表示される割合は、33,201クエリの調査で75.3%と報告されています。とくに「〜とは」型は93.1%、比較型は77.0%と高い水準です(EXIDEA/2026年5月20日)。

「擁壁工事とは」「外壁塗装 相場」といった語は、まさにこの型に当てはまります。ページの冒頭で質問に直接答え、その後に詳細を展開する構成にしてください。冒頭に結論を置く書き方はアンサーカプセルの作り方で解説しています。

有資格者情報と許可番号は必ずテキストで

建設業許可番号、一級建築士・施工管理技士などの有資格者数、加入している保険。これらは信頼性の判断材料として、AIが回答に含めやすい情報です。

画像で作られた会社概要ではなく、テキストの表で書いてください。更新日も併記すると、情報の鮮度が伝わります。

やらなくてよいこと

建設業のSEOでよく提案されるものの、2026年時点では優先度が低い、または効果が確認されていない施策です。

施策 2026年の状況
地名だけ差し替えたエリアページの量産 評価が分散し、スパムと判定されるおそれ
被リンクの購入・相互リンク 75,000ブランドの分析で、被リンク数との相関は0.218と弱い。人工的な獲得はポリシー違反
FAQPageスキーマの新規実装 2026年5月7日にリッチリザルト表示が終了。本文としてのFAQは有効
llms.txt の設置 Googleが2026年5月15日に「作成する必要はない」と明記
文字数を増やすためだけの加筆 対照実験でフォーマット調整のみの効果はほぼ確認されず

浮いた工数は、施工事例のテキスト化に回してください。効果が実証されている領域です。

技術面で最初に確認すること

コンテンツを作る前に、そもそも読み取られる状態かを確認します。ここが塞がっていると、何を書いても届きません。

着手前のチェック4項目

☐ JavaScriptを切っても本文が表示されるか(ブラウザの設定で確認できます)

☐ robots.txtでAIクローラーを拒否していないか(OAI-SearchBot・GPTBot・ClaudeBot・PerplexityBot)

☐ Search Consoleに登録し、インデックス未登録のページがないか

☐ スマホで表示が崩れていないか(現場からの検索が多い業種です)

とくに1つ目は見落とされがちです。ホームページ制作会社が作ったサイトで、施工事例がJavaScriptで後から読み込まれる形になっていると、検索エンジンにもAIにも中身が伝わりません。

外注する場合の判断基準

建設業のSEOを外注する際、提案内容で見るべき点があります。

1. 「建設会社」など大きな語での上位表示を約束していないか。約束できる性質のものではなく、仮に取れても受注に結びつきにくい語です。

2. 施工事例のテキスト化が提案に含まれているか。ここを扱わない提案は、建設業の実態を理解していない可能性があります。

3. エリアページの作り方を説明できるか。「地域名で100ページ作ります」という提案は危険です。

4. 成果指標が「順位」だけになっていないか。2026年はAI要約の影響で、順位が上がってもクリックが増えないケースがあります。表示回数・問い合わせ数とセットで見る必要があります。

費用相場の考え方はSEO対策の費用相場、業者の見極め方はSEO対策が安い会社の見極め方にまとめています。

よくある質問

建設業でSEOの効果が出るまでどのくらいかかりますか

施工事例の追加とテキスト化は1〜3か月、工事種別ページとエリアページの整備は3〜6か月が目安です。商圏が限られる分、競合するサイト数も少ないため、全国区の業種より短期間で動くことがあります。

施工事例は何件くらい必要ですか

件数より、1件あたりの情報量が重要です。写真だけの事例が100件あるより、工期・費用・工法・地域を書いた事例が20件あるほうが効果があります。まずは主要な工事種別ごとに3〜5件を、内容を充実させて作ることをおすすめします。

Googleビジネスプロフィールは必要ですか

地域で受注する建設業では有効です。地図検索での露出に直結し、施工事例の写真や口コミも掲載できます。ただしこれはウェブサイトの代わりにはなりません。詳細な情報は自社サイトに置き、そちらへ誘導する形が基本です。

顧客名や住所は出せないのですが、施工事例は書けますか

書けます。個人情報は伏せたうえで、市区町村・築年数・面積・工法・工期・費用といった条件を書けば十分です。「A様邸(横浜市青葉区・築28年・木造2階建)」のような表記で問題ありません。

AI検索対策は建設業にも必要ですか

必要になりつつあります。BtoBの発注先選定でAI検索を利用する企業は75.0%、それまで知らなかった企業をAI検索で発見した経験があるのは82.3%という調査があります(Piftee/BtoB企業 n=196/2026年6月)。元請けや設計事務所からの引き合いを狙う場合、影響は小さくありません。考え方はGEO対策とはで解説しています。

まとめ

建設業のSEOは、「工事名 × 地域」で1ページずつ作り、施工事例をテキストで書く——この2つに集約されます。大きな語を狙う必要はありませんし、被リンクを買う必要もありません。

2026年に加わった条件は「画像とPDFの中身はAIに読まれない」という一点です。すでに手元にある施工実績を、テキストとして書き出すこと。それが最も費用対効果の高い施策になります。

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この記事を書いた人
齊藤一樹
齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

株式会社仁頼 代表取締役。横浜市在住。 2018年からデジタルマーケティング業界に携わり、Google広告・SEO・コンテンツマーケティングを中心に8年以上の実務経験を持つ。これまでに制作した記事は9,000本以上、70名を超える専門ライターとのチーム体制で、幅広い業界のWebマーケティングを支援してきた。 2022年9月に株式会社仁頼を設立。「受けた御恩を忘れず、信頼を得られるよう迅速かつ最適な対応をする」という信念のもと、SEO・広告運用・サイト制作などのマーケティング支援を行っている。 近年は、ChatGPTやPerplexityなどのAI検索でサイトが引用される「GEO(生成エンジン最適化)」の分野にいち早く注力。自社サービス「GEO Hack」を通じて、AI時代の新しい集客手法を企業に提供している。 「難しいことをわかりやすく、小さな会社にも大きな成果を」をモットーに、日々クライアントと伴走中。

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