PHP脆弱性の対応状況|レンタルサーバー15社と主要サービス

PHP脆弱性の対応状況|レンタルサーバー15社と主要サービス

齊藤一樹
この記事を書いた人 齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

結論

2026年10月21日に公開されたPHPの重大な脆弱性(通称PHP2Shell)について、国内のレンタルサーバー各社は、ほとんどが10月22日中に修正の適用を終えました。エックスサーバー、お名前.com、mixhost、カラフルボックス、コアサーバー、ヘテムルなどは、利用者がPHPのバージョンを変えなくても修正済みです。多くの会社は表示されるバージョン番号を変えずに修正を入れているため、「8.4.26」のままでも未修正とは限りません。一方、ConoHa WINGやWebARENAは2026年10月22日22時(日本時間)時点で順次適用中、KAGOYAの一部プランは対応を調整中です。各社とも「悪用による被害は確認されていない」としていますが、ヘテムルは「脆弱性を狙ったとみられるアクセスの試み」を確認したと公表しています。

10月21日の夜に修正版が公開されてから、レンタルサーバー各社は一斉に対応に入りました。管理画面や公式サイトを止めて作業した会社も多く、22日の日中は「自分のサイトは大丈夫なのか」「何かしないといけないのか」が分かりにくい状態でした。

この記事では、各社の公式の告知だけをもとに、対応が終わったのか、どの方式で直したのか、利用者が何をすればよいのかを一覧にしました。脆弱性そのものの説明と、自社サイトの確認手順はPHPに重大な脆弱性2件|WordPressで今すぐ確認する3つのことにまとめています。情報は2026年10月22日22時(日本時間)時点のものです。

先に知っておきたい3つのこと

1. 番号が古いままでも、修正済みのことがある

PHP公式の修正版は8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35ですが、レンタルサーバー各社の多くは、利用者が使っているバージョンの番号を変えずに、修正だけを入れる方式をとりました。お名前.com、mixhost、ConoHa WING、カラフルボックスは告知にそう明記しています。WordPressの「サイトヘルス」に8.4.26と表示されていても、それだけで未修正とは言えません。修正済みかどうかは、この記事の表と、各社の告知で確かめてください。

2. サポートが終わった古いPHPにも、独自に修正した会社が多い

PHP 8.1以前はサポートが終わっており、公式の修正版はありません。それでも、エックスサーバー、ヘテムル、さくら、mixhost、カラフルボックス、コアサーバーなどは、古い版にも独自の修正や保護措置を入れたと公表しています。ただしヘテムルが「応急的なもので、今後の脆弱性には対応できない可能性がある」と書いているとおり、各社とも8.2以上(できれば8.3以上)への切り替えをすすめています。

3. 利用者側の作業は、ほとんどの会社で不要

表の「利用者がやること」の欄を見てください。多くの会社は「バージョンの変更などは不要」としています。やっておきたいのは、サイトが正しく表示されるか、問い合わせフォームが動くかの確認と、古いPHPを使っている場合の切り替え計画です。

レンタルサーバー各社の対応状況

「方式」の「番号を維持」は、表示されるバージョン番号を変えずに修正を入れたという意味です。時刻はすべて日本時間で、各社の告知に書かれているものです。

サーバー会社 対応状況 完了日時 方式・対象の版 利用者がやること 被害の記述 出典
エックスサーバー 完了(PHP 5.6〜8.5) 8.2〜8.5:10/22 6:45
7.4〜8.1:12:00
5.6〜7.3:14:00
公式の修正版と独自の修正を組み合わせて適用。5.5以下は修正を作成・検証中 必須の作業なし。管理画面やWebメールは再開済み。サーバーパネルの一部機能と一部の決済手段は点検中 不正アクセスの発生に伴うものではない 公式
シン・レンタルサーバー 完了(PHP 5.6〜8.5) エックスサーバーと同じ 同上 同上 同上 公式
お名前.com レンタルサーバー 完了 10/22 20:45(緊急メンテナンス終了) 番号を維持して修正。「表示されるバージョン番号にかかわらず」全バージョンに適用済み バージョン変更などは不要。Webメールとファイルマネージャーは18:30ごろ再開 記載なし 公式
ConoHa WING 順次適用中 22時時点で完了の告知なし 番号を維持して、サーバー側でパッチを順次適用 バージョン変更などは不要。ファイルマネージャーとWebメールは一時停止中(サイト表示とメールは通常どおり) 記載なし 公式
さくらのレンタルサーバ 一部完了 10/22 8:15時点で、一部機能を除き緊急メンテナンスを解除 提供しているPHPに必要な修正を適用。サポート終了版にも適用 サポート中の版(8.3)への切り替えを推奨。一部機能はメンテナンス継続 10/22 14時時点で被害の報告なし 公式
ロリポップ! 完了(サイトの再開) 10/22 13:11にサイトを再開(公式X) 修正版を適用。古い版には独自の修正を適用(公式X) 公式サイトが取得できず、詳細は未確認。ユーザー専用ページのお知らせを確認 未確認 公式X
ヘテムル 完了 10/22 15:15(全サービス復旧) 8.2〜8.5は公式の修正版、7.4〜8.1は公式のサポート終了版向け修正、5.6〜7.3は自社で作成した修正を適用。全版でsession.upload_progressを無効化 8.2以上への切り替えを推奨。再開後にサイト表示・フォーム・アップロードの動作確認 脆弱性を狙ったとみられるアクセスの試みを確認。不正アクセスや漏えいは未確認 公式
mixhost 完了 10/22 10:18ごろ 番号を維持して修正。PHP 5.2〜8.5が対象(サポート終了版はCloudLinuxの修正) 作業は不要。8.2未満はサポート中の版への移行を推奨 記載なし 公式
KAGOYA 調整中 22時時点で完了の告知なし レンタルサーバーの8.2〜8.5は修正版へのバージョンアップを調整中。他のプラン・版は方針を調整中 共用・マネージド専用・WordPress専用は、サイトの一時公開停止やアクセス制限の検討を求めている 被害は確認されていない 公式
コアサーバー(V1・V2) 完了 V1:10/22 0:50
V2:10/22 11:13
提供中の全PHPバージョンで対応。サーバーソフトも更新 バージョン変更などは不要 記載なし 公式
バリューサーバー 完了 10/22 0:50 PHP 5.3〜8.5の全バージョンで対応 バージョン変更は不要 記載なし 公式
カラフルボックス 完了 10/22 朝まで 番号を維持して、対策済みの版へサーバー側で更新。7.4〜8.1などの古い版にも修正・保護措置 バージョン変更は不要 記載なし 公式
Zenlogic(IDCフロンティア) 一部完了 7.4〜8.5:10/22 8:00にWebサーバー再開
5.3:19:00完了予定
修正パッチの適用、またはマイナーバージョンアップ。5.3は最新版へ強制アップグレード(戻せない) 5.3(場合により7.4・8.1)の利用者は、フォームやCMSの表示崩れ・エラーの可能性。プログラム側の修正が必要になることも 記載なし 公式
WebARENA(NTTPC) 順次適用中 SuiteX/SuiteSは10/22 17:30から緊急メンテナンス 10/21に緩和策と海外からのWebアクセス停止を実施済み 各サービスのサポートサイトを確認 被害やデータの流出は確認されていない 公式
CPI(KDDIウェブ) 順次適用中 22時時点で完了の告知なし 各種システムを順次更新(公式X) 公式サイトがメンテナンス中のため、公式Xで続報を確認 未確認 公式X

ロリポップ!とCPIは、公式サイトがメンテナンス中で告知ページを取得できなかったため、公式Xの投稿と報道で確認した範囲にとどめています。スターサーバー、ラッコサーバー、ABLENET、wpXなどは、2026年10月22日22時(日本時間)時点で公式の告知を見つけられませんでした。お使いの会社がこの表にない場合は、管理画面のお知らせか公式Xで確認してください。

主要サービスの停止と再開

レンタルサーバー以外でも、PHPで動くサービスの多くが、修正版の公開前後にサービスを止めて対応しました。ITmediaは、pixiv、BASE、コドモン、Cygames、ニコニコ、静岡銀行なども一時停止したと報じています(ITmedia NEWS、2026年10月22日)。公式の告知で確認できたものを表にしました。

サービス 停止 再開 告知の内容 出典
BASE(ネットショップ作成) 10/21 15:50 10/22 8:00に完了 PHPの重大な脆弱性への対応と明記 公式
カラーミーショップ 10/21 22:00 10/22 8:49に完了 CVE番号を明記。悪用による攻撃やデータ漏えいは確認されていない 公式
ニコニコ 10/21 19:00から順次 10/22 15:30時点で動画・チャンネル・漫画などは復旧。静画、ニコニ・コモンズなどは再開未定 PHPの脆弱性への対応と明記 公式
コドモン(保育施設向け) 10/21に全サービスを順次停止 「10/22早朝に再開見込み」(続報) 不正アクセスや漏えいは確認されていない 公式
阪神電気鉄道(Webサイト) 10/21 再開見込みは未定(取得時点) 不正アクセスの発生に伴うものではない 公式
Cygames(Webサイト・一部サービス) 時刻の記載なし サービスごとに異なる 「システムの安全性を確保するため」の緊急メンテナンス 公式

pixiv、Chatwork、makeshopなども停止と再開が報じられていますが、公式ページを直接確認できなかったため表には入れていません。

悪用はあったのか

2026年10月22日22時(日本時間)時点で、国の機関が「実際に悪用された」と発表した例は見当たりません。IPAは10月21日の事前情報で「悪用した攻撃を確認しているわけではない」としており、正式な注意喚起「PHPの脆弱性対策について(PHP2shell)」も公開されていますが、本文はこの記事の執筆時に取得できませんでした(IPA)。

ただし、各社の告知を読むと、攻撃の動きはすでにあります。ヘテムルは「脆弱性を狙ったとみられるアクセスの試みは確認された」としたうえで、不正アクセスや情報漏えいは確認されていないと説明しています。エックスサーバーは、脆弱性の公表前の10月21日12時から、不正アクセスのリスクを下げる措置を入れていました。海外では、Cloudflareが攻撃の通信を観測したと公表しています(詳しくはPHPの脆弱性の記事をご覧ください)。

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利用者が確認する3つのこと

1. 自分のサーバー会社の対応が終わっているか

上の表で、お使いの会社が「完了」になっているかを見てください。「順次適用中」「一部完了」の会社は、管理画面のお知らせや公式Xで続報を確認します。表にない会社は、管理画面のお知らせを確認してください。

2. サイトとフォームが正しく動くか

修正の適用後に、ごくまれに表示や動作が変わることがあります。ヘテムルは全バージョンで「session.upload_progress」という機能を無効にしており、Zenlogicは古いPHPを強制的に新しい版へ上げています。トップページ、問い合わせフォーム、画像のアップロードの3つは、一度動かして確かめてください。

3. 古いPHPを使っているなら、切り替えの計画を立てる

今回は多くの会社が古い版にも独自に修正を入れましたが、これは今回限りの応急処置です。次に脆弱性が見つかったとき、同じ対応があるとは限りません。PHP 8.3以上への切り替えを、バックアップと試験サイトでの確認つきで計画してください。進め方はWordPressの更新方法|放置サイトの安全な復旧手順で解説しています。

なお、WordPress公式は、WordPress本体の更新は不要としています(WordPress.org、2026年10月21日)。

いま確認すべきこと

  • 自分のサーバー会社の対応状況を、この記事の表か管理画面のお知らせで確認した
  • 「順次適用中」「調整中」の会社を使っている場合は、続報を確認する担当を決めた
  • サイトのトップページ、問い合わせフォーム、画像のアップロードが正しく動くことを確かめた
  • PHP 8.1以前を使っている場合は、8.3以上への切り替えの日程を決めた
  • 制作会社に保守を任せている場合は、今回の対応状況を一度確認した

よくある質問

サイトヘルスのPHPバージョンが8.4.26のままです。未修正ですか?

お名前.com、mixhost、ConoHa WING、カラフルボックスなどは、表示されるバージョン番号を変えずに修正を入れています。番号だけでは判断できないため、この記事の表と、各社の告知で修正済みかどうかを確認してください。

何もしなくて大丈夫ですか?

ほとんどのレンタルサーバー会社は「バージョンの変更などは不要」としています。ただし、お使いの会社が「順次適用中」や「調整中」の場合は、続報を確認してください。修正後にサイトとフォームが正しく動くかの確認はしておきましょう。

古いPHP(8.1以前)を使っています。今回は守られましたか?

エックスサーバー、ヘテムル、さくら、mixhost、カラフルボックス、コアサーバーなどは、古い版にも独自の修正や保護措置を入れたと公表しています。ただし各社とも応急的な対応だとしているため、8.2以上(できれば8.3以上)への切り替えを計画してください。

すでに攻撃されていないか、どう確かめればよいですか?

管理画面に入れる場合は、見覚えのないファイルや管理者ユーザーがないかを確認します。サーバーのログを見られる場合は、画像の送信直後にメモリ上限のエラーやHTTP 500が繰り返されていないかが目安です。不安な場合は、制作会社かサーバー会社に点検を依頼してください。

WordPress本体の更新は必要ですか?

WordPress公式は、今回の問題はPHP側のものであり、WordPress本体の更新は不要で、予定もないとしています。ただし、テーマやプラグインは普段どおり最新に保ってください。

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出典

※本記事は2026年10月22日22時(日本時間)時点の各社の公式告知にもとづいています。対応状況は時間とともに変わります。最新の情報は、お使いのサーバー会社の告知でご確認ください。

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この記事を書いた人
齊藤一樹
齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

株式会社仁頼 代表取締役。横浜市在住。 2018年からデジタルマーケティング業界に携わり、Google広告・SEO・コンテンツマーケティングを中心に8年以上の実務経験を持つ。これまでに制作した記事は9,000本以上、70名を超える専門ライターとのチーム体制で、幅広い業界のWebマーケティングを支援してきた。 2022年9月に株式会社仁頼を設立。「受けた御恩を忘れず、信頼を得られるよう迅速かつ最適な対応をする」という信念のもと、SEO・広告運用・サイト制作などのマーケティング支援を行っている。 近年は、ChatGPTやPerplexityなどのAI検索でサイトが引用される「GEO(生成エンジン最適化)」の分野にいち早く注力。自社サービス「GEO Hack」を通じて、AI時代の新しい集客手法を企業に提供している。 「難しいことをわかりやすく、小さな会社にも大きな成果を」をモットーに、日々クライアントと伴走中。

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