GEOツールなしで測る方法|無料で始める手順と、有料に切り替える基準

GEOツールなしで測る方法|無料で始める手順と、有料に切り替える基準

齊藤一樹
この記事を書いた人 齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

結論

AI検索での自社の露出は、ツールを契約しなくても測れます。Search Consoleの生成AIレポートと、手動チェックの組み合わせです。ただし条件が1つあります。同じ質問を7回以上繰り返してください。1回だけの計測は標準誤差0.370で、統計的にほぼ情報量がありません。本記事では無料で始める手順と、有料に切り替える判断基準を解説します。

「AI検索対策を始めたいが、いきなり月数万円のツールを契約するのは早い」——妥当な判断です。

まず現状を無料で把握し、手作業が負担になった段階で有料に移るのが、失敗の少ない進め方です。本記事ではその手順を、実際に回せる形で解説します。

無料でできること・できないこと

項目 無料で可能 手段
AI機能内での表示回数 Search Console 生成AIレポート
特定の質問での引用有無 手動チェック
AI経由の流入数 GA4。ただし70.6%がリファラーなしで「direct」に混入
AIクローラーの到達状況 サーバーログ、robots.txtの確認
競合とのシェア比較 手動。問題数を増やすと現実的でなくなる
引用元URLの傾向分析 × 集計が必要。ツールの領域
継続的な自動計測 × 同上

手順1|Search Consoleの生成AIレポートを見る

2026年6月3日に追加された公式機能です。AI機能内で自社ページが表示された回数を確認できます。

検索パフォーマンス →「検索での見え方」から、生成AI関連の項目を選びます。Googleが直接提供するデータなので、外部ツールのように仕様変更で壊れることがありません。

ただし制約は大きい

  • 取得できるのはインプレッションのみ。クリック・CTR・掲載順位は出ません
  • クエリが分かりません。どの質問で表示されたかは不明です
  • AI OverviewsとAIモードを分離できません
  • ChatGPTやPerplexityは対象外です。Googleの機能内に限られます

「全体として増えているか減っているか」を見る用途と割り切ってください。個別の改善判断には使えません。

手順2|手動チェックを設計する

ここが本記事の中心です。問題数より実行回数を優先してください。

なぜ回数が必要か

AIの回答は確率的に生成されます。同じ質問を同じAIに投げても、毎回同じ答えは返りません。

実行回数 標準誤差 判断に使えるか
1回 0.370 使えない
7回 0.081 研究チームが推奨する最低ライン

出典はザンクトガレン大学の研究(arXiv:2604.07585/2026年4月10日)です。同研究では不安定さの原因が時間経過ではなく確率的なサンプリングだと結論づけています。日を置いて測り直しても解決しません。

推奨する設計

同じ28回の実行で比べる

28問 × 1回 → 幅広く見えるが、前月比の変化がノイズか改善か判別できない

4問 × 7回 → 対象は狭いが「7回中何回引用されたか」が言える。変化に意味がある

まずは3〜5問 × 7回から始めてください。1エンジンあたり30分ほどで回せます。

質問の選び方

自社名を含む質問は入れないでください。見込み客が、自社をまだ知らない状態で聞く質問を選びます。

  • 「◯◯(業種・地域)でおすすめの会社は」
  • 「◯◯の費用相場はいくら」
  • 「◯◯を選ぶときの基準は」
  • 「◯◯と△△の違いは」

手順3|計測時の4条件を守る

① ログアウト状態で実行する
ログイン中はChatGPTのメモリ機能が過去の会話を参照し、結果が汚染されます。外部から測れるのは未ログインの可視性のみです

② 日本語で実行する
英語のみの監査は国内ブランドを体系的に過小評価します(66ブランド×12言語×3LLM=35,640回答/arXiv:2606.23165)

③ 引用と言及を分けて記録する
ChatGPTは引用率87%・言及率20.7%、Geminiは21.4%・83.7%と挙動が正反対です。引用数だけ追うとGeminiでの成果がゼロに見えます

④ 条件を毎回そろえる
質問文・順番・エンジン・時間帯を固定します。条件が変われば前月比に意味がなくなります

手順4|記録する

スプレッドシートで十分です。1行=1回の実行にしてください。平均値ではなく分子と分母を残すのが重要です。

日付 質問ID エンジン 試行 引用 言及 引用元URL
9/9 Q1 ChatGPT 1 × example.com/a
9/9 Q1 ChatGPT 2 ×

この形なら「Q1はChatGPTで7回中4回引用(57%)」という集計がすぐ出せます。

手順5|AIクローラーが到達できるか確認する

計測の前に、そもそも読まれる状態かを確認してください。ここが塞がっていると、何を書いても引用されません。

☐ 自社ドメイン/robots.txt を開き、OAI-SearchBot・GPTBot・ClaudeBot・PerplexityBotを拒否していないか

☐ ブラウザのJavaScriptを切って、本文・価格・仕様が読めるか

☐ WAFやCDNがAIクローラーをブロックしていないか(管理画面で確認)

☐ site:自社ドメイン 料金 で該当ページが出るか(GoogleとBingの両方)

最後の項目は2026年に重要度が上がりました。ChatGPTがsite:コマンドで公式サイトを直接探す比率は、GPT-5.6で59〜90%に達しています。Bingにインデックスされていなければ、見つけてもらえません。詳しくはChatGPTが公式サイトを直接見に行くをご覧ください。

有料ツールに切り替える判断基準

次のいずれかに当てはまったら、検討する段階です。

状況 理由
監視したい質問が20個を超えた 7回反復で140回の実行。手動では現実的でない
競合とのシェアを継続比較したい 手動では集計が煩雑
引用元URLを分析したい どの媒体に載れば拾われるかの逆算に必要
社内やクライアントに定期報告する レポート出力があると工数が下がる
引用の増減を継続的に追いたい 引用は28日後に平均33%しか残らない(月67%減衰)。単発計測では判別できない

最後の項目は見落とされがちです。「引用数が減った」が施策の失敗なのか自然な減衰なのかは、継続して測らないと分かりません(Digital Authority Partners/1,127URL・5エンジン)。

ツールの比較はGEO対策ツールおすすめ27選、無料枠のあるツールは無料で使えるGEO対策ツールにまとめています。

よくある質問

無料だけで十分ですか

監視したい質問が10個以下で、月1回の確認で足りるなら十分です。20個を超えると7回反復で140回の実行になり、手作業では破綻します。

7回も繰り返す時間がありません

問題数を減らしてください。3問×7回なら21回で、1エンジンあたり30分ほどです。20問×1回と手間はほぼ同じですが、得られるデータの質はまったく違います。

毎日測る必要はありますか

ありません。不安定さの原因は時間経過ではなく確率的なサンプリングです。頻度を上げるより1回あたりの反復を増やすほうが有効で、月1回でも各質問を7回以上実行していれば判断材料になります。

GA4でAI経由の流入は分かりますか

部分的にしか分かりません。AI流入の70.6%はリファラーなしで到達するという調査があり(The Digital Bloom/446,405ビジット)、GA4では「direct」に分類されます。参照元での判別には限界があります。

ChatGPTでの表示はSearch Consoleで分かりますか

分かりません。Search Consoleの生成AIレポートはGoogleの機能内(AI Overviews・AIモード)に限られます。ChatGPTやPerplexityは対象外で、手動チェックかツールが必要です。

出典

  • 計測の反復回数:ザンクトガレン大学 arXiv:2604.07585(2026年4月10日)
  • 言語による評価差:arXiv:2606.23165|66ブランド×12言語×3LLM=35,640回答(2026年6月22日)
  • エンジン別の引用率・言及率:Semrush(2026年6月)
  • 引用の減衰:Digital Authority Partners|1,127URL・5エンジン・6週間
  • AI流入のリファラー欠落:The Digital Bloom|446,405ビジット(2026年2月)
  • Search Console 生成AIパフォーマンスレポート(2026年6月3日追加)

※本記事は2026年9月時点の公開情報にもとづいています。当社はGEO対策ツールを提供する立場から執筆しています。

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無料ダウンロード|2026年8月改訂版

GEO対策セルフチェックリスト
30項目

全11ページ/PDF・所要時間の目安10分

反復7回以上・日本語・ログアウト状態など計測5項目

AIクローラーの到達確認とJavaScript依存のチェック

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この記事を書いた人
齊藤一樹
齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

株式会社仁頼 代表取締役。横浜市在住。 2018年からデジタルマーケティング業界に携わり、Google広告・SEO・コンテンツマーケティングを中心に8年以上の実務経験を持つ。これまでに制作した記事は9,000本以上、70名を超える専門ライターとのチーム体制で、幅広い業界のWebマーケティングを支援してきた。 2022年9月に株式会社仁頼を設立。「受けた御恩を忘れず、信頼を得られるよう迅速かつ最適な対応をする」という信念のもと、SEO・広告運用・サイト制作などのマーケティング支援を行っている。 近年は、ChatGPTやPerplexityなどのAI検索でサイトが引用される「GEO(生成エンジン最適化)」の分野にいち早く注力。自社サービス「GEO Hack」を通じて、AI時代の新しい集客手法を企業に提供している。 「難しいことをわかりやすく、小さな会社にも大きな成果を」をモットーに、日々クライアントと伴走中。

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