RFP(Request for Proposal:提案依頼書)とは、ホームページのリニューアルを制作会社に依頼する際に、自社の要件・目的・予算・スケジュールをまとめた文書です。RFPを作成せずに口頭で依頼すると、制作会社によって提案内容がバラバラになり比較検討が困難になります。Web担当者Forumの調査(2024年)によると、RFPを作成した企業はRFPなしの企業と比較して「リニューアル満足度」が約1.7倍高いという結果が出ています。この記事ではすぐに使えるRFPテンプレートと各項目の記入ポイントを解説します。
この記事でわかること
RFPとは何か / RFPに含める12項目 / 各項目の記入例 / 提案品質が変わる理由 / RFPなしのリスク / そのまま使えるテンプレート
なぜRFPが必要なのか
RFP作成の3つのメリットを説明します。第一に制作会社からの提案内容が統一されるため費用・品質・対応範囲を正確に比較できます。第二に自社の要件を文書化するプロセスで「本当に必要な機能は何か」「リニューアルの目的は何か」が社内で整理されます。第三にプロジェクト進行中に「言った・言わない」のトラブルを防げます。RFPに記載された要件が契約の基準となり、追加費用の請求や品質の争いを未然に防止できます。
❌ RFPなしで依頼
・口頭で認識ズレ発生
・提案の粒度がバラバラで比較不可
・追加費用発生リスク
・社内で目的が共有されない
・完成品が期待と大きく異なる
✅ RFPありで依頼
・同条件で正確な比較が可能
・要件文書化でトラブル防止
・制作会社の理解度・提案品質が向上
・社内合意形成が容易
・プロジェクト進行が円滑
RFPに含める12項目
| No. | 項目 | 記入内容 | 記入例 |
|---|---|---|---|
| 1 | 会社概要 | 社名、事業、従業員数 | 株式会社○○ / 建設業 / 30名 |
| 2 | 目的 | なぜリニューアルするか。数値目標 | 問い合わせ月2件→月10件に |
| 3 | 現サイトの課題 | 困っていること | デザイン古い / スマホ未対応 |
| 4 | ターゲット | 主な訪問者像 | 30〜50代の住宅購入検討者 |
| 5 | ページ構成 | 必要なページ一覧 | トップ/会社概要/サービス/事例/ブログ/採用/問い合わせ 計15P |
| 6 | 必要な機能 | CMS、フォーム、予約等 | WordPress / フォーム / SSL / 施工事例管理 |
| 7 | デザイン方向性 | 参考サイト、トーン | 参考URL3件 / 信頼感・清潔感 / 紺基調 |
| 8 | SEO/GEO要件 | 検索対策の要件 | SEO基本設定 / 構造化データ / GEO対策 |
| 9 | コンテンツ準備 | 原稿・写真の状況 | 原稿は自社 / 写真はプロ撮影希望 |
| 10 | 予算 | 上限予算 | 初期150万円以内 / 月額10万円以内 |
| 11 | スケジュール | 希望公開時期 | 2026年8月末公開希望 |
| 12 | 提案条件 | 提出期限、プレゼン有無 | 提出6/15 / オンラインプレゼン希望 |
項目別の記入ポイント
目的は「数値」で書く
「きれいなサイトにしたい」は目的ではなく手段です。「問い合わせ月2件→月10件」「検索流入3倍」「採用応募月5件獲得」のように数値で記述してください。数値目標があることで制作会社は目標達成に必要な施策を逆算して提案できます。
予算は上限を明示する
予算を伏せると、制作会社は「高い提案で売上最大化」か「安い提案で確実受注」で迷い、最適な提案が得られません。「初期100〜150万円」のように範囲で明示するほうが予算に合った提案を引き出せます。費用相場を参考に設定してください。
参考サイトは「理由」も添える
「このサイトが参考」だけでは、デザインか構成か機能か伝わりません。「(1)ヘッダーのデザイン (2)施工事例の見せ方が参考。色味は弊社の紺に合わせてほしい」のように具体的ポイントと理由を添えてください。
RFPの書き方で提案品質が変わる理由
制作会社は多数のRFPを受け取っています。よく練られたRFPを出す企業には「本気度が高い」「要件が明確で進めやすい」と判断し、エース級の担当者を割り当てる傾向があります。逆に口頭だけの依頼や情報が乏しいRFPには経験の浅い担当者が割り当てられるリスクがあります。RFPの品質は提案の品質に直結するのです。
RFPを活用した制作会社選定の実践フロー
RFPを作成した後の具体的な選定フローを解説します。まずRFPを候補の制作会社3〜5社にメールで送付します。「ご提案書の提出期限は2週間後の○月○日」と明記してください。期限がないと提案の提出がずるずる遅れ、選定スケジュール全体が遅延します。
提案書が届いたら5軸で評価してください。第一に費用の妥当性(費用相場と比較して高すぎないか安すぎないか)。第二に理解度(自社の課題と目的を正しく理解した提案か)。第三にSEO/GEO対応(SEO基本設定やGEO対策の提案が含まれているか)。第四に実績の関連性(同業種・同規模の実績があるか)。第五にサポート体制(公開後の保守・運用が明確か)。各軸を5段階(1〜5点)で採点し、合計点が最も高い会社を第一候補とします。僅差(2〜3点差以内)の場合は初回ミーティングでの担当者の印象やレスポンス速度も加味して最終判断してください。
当社(株式会社仁頼)では、RFPに基づく提案を最短3営業日でご提出しています。制作だけでなくSEO・GEO対策まで一貫してご提案できるため、複数社に分けて依頼する手間とコストを削減できます。まだRFPを作っていない段階でも、ヒアリングから要件整理までサポートいたします。
中小企業がRFPで特に注意すべきポイント
中小企業のリニューアルでは、大企業とは異なる特有の注意点があります。第一に、予算の制約が厳しいため「必須機能」と「あったら嬉しい機能」を明確に分けてください。必須機能だけでRFPを作成し、「予算に余裕があれば以下の機能も追加したい」と付記するアプローチが有効です。第二に、社内にWeb専任の担当者がいないケースが多いため、公開後の更新・運用の負担を軽減する仕組み(WordPressの簡単な操作マニュアル、月次の更新代行等)をRFPに含めてください。制作して終わりではなく、公開後の運用まで含めた提案を求めることが、中小企業のリニューアル成功の鍵です。
第三に、SEO・GEO対策の要件を必ず含めてください。デザインだけリニューアルしてSEO設定が抜け落ちると、公開後にアクセスが激減するリスクがあります。「SEO基本設定(メタタグ・構造化データ・サイトマップ・301リダイレクト)を含めてください」「AI検索対策(GEO対策)も対応可能であれば提案に含めてください」と明記するだけで、制作会社からの提案に集客施策が組み込まれるようになります。ホームページ放置のリスクで解説しているとおり、リニューアル後のSEO・GEO対策の継続が投資効果を最大化するために不可欠です。
RFP作成のチェックリスト
RFP提出前の最終確認
☐ 目的が数値で書かれているか(「問い合わせ月10件」等)
☐ 予算の上限が明示されているか(「初期150万円以内」等)
☐ 必要なページの一覧が具体的に書かれているか
☐ 参考サイトのURLと参考理由が記載されているか
☐ SEO/GEO対策の要件が含まれているか
☐ コンテンツ(原稿・写真)の準備状況が明記されているか
☐ 提案書の提出期限が設定されているか
☐ 3社以上に同じ内容で送付する準備ができているか
よくある質問
RFPを作る時間がない場合は
最低限「目的」「ページ数」「予算」「スケジュール」の4項目をメールで伝えてください。この4項目があれば制作会社は大まかな提案を作成できます。詳細は初回ミーティングで確認してもらえます。
RFPは何ページくらいが適切ですか
A4で2〜5ページが適切です。10ページ超は制作会社の負担になりポイントがぼやけます。目的・予算・機能要件を簡潔にまとめてください。
予算を書くと高い見積もりが出ませんか
3社以上の相見積もりで適正価格が判断できます。予算を明示しないと「安すぎて品質低い」「高すぎて予算に合わない」提案が届くリスクがあり、かえって比較に時間がかかります。
RFPはどの形式で作成すればいいですか
Word・Googleドキュメント・PDFのいずれでも問題ありません。大切なのは形式ではなく内容。表や箇条書きを活用し読みやすい文書にしてください。
制作会社にRFP作成を手伝ってもらえますか
多くの制作会社がヒアリングを通じて支援してくれます。ただし特定の1社に依頼するとその会社に有利な要件が盛り込まれるリスクがあるため、RFP作成支援と提案依頼は別会社にするのが理想です。制作会社の選び方も参考にしてください。
まとめ
RFP(提案依頼書)を作成することで、制作会社からの提案品質が向上し、費用・品質の比較が容易になり、トラブルを防止できます。この記事の12項目テンプレートをベースに自社の状況に合わせてカスタマイズしてください。RFP作成に時間をかけることはリニューアル成功確率を大幅に高める最も費用対効果の高い投資です。まずはこのテンプレートをWordにコピーし、自社の情報を記入するところから始めてみてください。30分で完成します。
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