Gemini 4 Carbonとは|性能1位、でも一般公開は日程未定

Gemini 4 Carbonとは|性能1位、でも一般公開は日程未定

齊藤一樹
この記事を書いた人 齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

結論

Gemini 4 Carbon(ジェミニ・フォー・カーボン)とは、Googleが2026年10月28日(米国時間、日本時間29日未明)に発表した、同社で最も高性能なAIモデルです。第三者機関Artificial Analysisの総合指標で59点の1位になりました(2位のClaude Opus 5.5は58点)。ただし、いま使えるのは、Googleの審査を通ったサイバー防御の専門家だけで、開発者・企業・一般向けの提供日は発表されていません。APIの料金は100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルの導入価格(通常は4ドル・20ドル)。いま実際に試せるGoogleの最新モデルは、2週間前に一般提供が始まったGemini 4 Argonです。

国内でも「世界一高性能なAI」「OpenAIやAnthropicの最先端モデルを超える」といった見出しで報じられています。数字そのものは事実ですが、すぐに誰でも使えるモデルではないこと、分野によっては他社のモデルが上であることは、見出しだけでは分かりません。

この記事では、Googleの発表と第三者の評価をもとに、何が発表されたのか、なぜすぐに使えないのか、料金、いまできることを整理します。性能の比較は比較の記事、サイバーセキュリティの面は限定提供とサイトの守り方の記事、Google検索のAIモードへの影響はAIモードとGEOの記事で詳しく扱っています。

発表の要点

項目 内容
発表日 2026年10月28日(米国時間)。日本時間では29日未明
発表者 Google DeepMindのKoray Kavukcuoglu氏(Googleのチーフ AI アーキテクト)
位置づけ Googleで最も高性能なモデル。2週間前に一般提供が始まったGemini 4 Argonを土台にしている
得意分野 サイバーセキュリティ(脆弱性の発見・検証・修正)と、数日がかりの長いタスク。コーディング、科学、Web開発、画像・動画などの理解も改善
総合の評価 Artificial Analysis Intelligence Index v5.0で59点・1位(第三者の評価)
一度に扱える量 100万トークン。入力はテキスト・画像・動画・音声、出力はテキスト
料金(API) 導入価格:入力2ドル・出力10ドル/通常:入力4ドル・出力20ドル(100万トークンあたり)
提供 まず一部のサイバー防御の専門家。開発者・企業・一般向けは「できるだけ早く」で日付なし

Googleによると、社内のチームはCarbonを数日間動かし続け、大規模なプログラムや、OSに近い部分の見つけにくい不具合の原因を突き止めて修正させているといいます(Google公式ブログ)。一度に扱える量と入出力の種類はArtificial Analysisの記載によります。

Gemini 4のこれまでの流れ

日付(米国時間) 出来事
2026年9月30日 Gemini 4 Argonを発表。最初はサイバー防御の専門家だけに提供
10月13日 Argonの一般提供を開始。Geminiアプリと検索のAIモード(Google AI Pro・Ultra)、Gemini API(有料枠)など
10月27日 Artificial Analysisが総合指標をv5.0に改定(9つの評価で構成。旧版の点数とは比べられない)
10月28日 Gemini 4 Carbonを発表。一部のサイバー防御の専門家から提供
未定 Carbonの開発者・企業・一般向けの提供

Argonは、発表から一般提供まで13日でした(Search Engine Journal)。Carbonも同じ流れをたどる可能性はありますが、Googleは日付を示していません。開発ツール「Google Antigravity」の責任者Varun Mohan氏も、Antigravityで使えるようにする予定だとしつつ、時期は明かしていません(VentureBeat)。

なぜすぐに使えないのか

Carbonは、ソフトウェアの脆弱性を見つけ、実際に悪用できるかを確かめ、修正する能力が高いモデルです。Googleが公表した数値では、脆弱性の発見を測る「SEC-bench Pro」で88.2%、悪用できるかの検証を測る「ExploitGym」で54.8%でした。これらは安全のための制限(ガードレール)を外した状態での測定です(Google公式ブログ)。

守る側には強力な道具ですが、攻撃に使われれば被害も大きくなります。そのためGoogleは、審査を通った組織だけが使える「Fairwind Program」から提供を始め、制限を調整してから広げる方針です。米国政府による公開前の任意のテストにも参加しています。

Fairwind Programの対象 例
政府・国のサイバー当局 各国の政府機関
重要インフラの事業者 医療、通信、エネルギー、金融ネットワークなど
基幹的な技術基盤の企業 多くの企業が使うソフトウェアやサービスの提供元
大学の研究室 防御のための評価・研究を行う研究室(申請制)

申し込みはGoogle Cloudの担当窓口を通じて行い、参加組織は世界で650以上とされています。認められるのは防御や研究のための作業で、マルウェアの作成は認められていません(Google DeepMind)。一般の企業がすぐに申し込める仕組みではありません。OpenAIやAnthropicも同じような限定提供をしており、その背景は限定提供とサイトの守り方の記事で解説しています。

料金

項目(100万トークンあたり) Gemini 4 Carbon Gemini 4 Argon(参考)
入力 導入価格2ドル、通常4ドル 2ドル(11月30日まで)、4ドル(12月1日から)
出力(考える過程を含む) 導入価格10ドル、通常20ドル 10ドル(11月30日まで)、20ドル(12月1日から)
キャッシュした入力 入力の95%引き 0.10ドル(11月30日まで)、0.20ドル(12月1日から)
導入価格の終了日 未発表 2026年11月30日
APIの無料枠 未発表 なし

Carbonの料金はGoogleの発表、Argonの料金はGemini APIの料金ページによります(Google AI for Developers)。Carbonの導入価格がいつまでかは、発表されていません(VentureBeat)。

単価はArgonと同じです。Artificial Analysisの試算では、同社の評価1問あたりの費用はCarbonが7.76ドル、Argonが7.68ドルで、ほぼ同じ費用で総合点が9点高い結果でした(通常価格で計算)。他社のモデルとの費用の比較は比較の記事にまとめています。

個人向けのプランでは、ArgonはGoogle AI ProとUltraの契約者が使えます(Google One)。日本のGoogle AI Ultraは月額14,500円からと報じられています(Impress Watch)。Carbonがどのプランで使えるようになるかは、まだ発表されていません。

「世界一高性能」はどこまで本当か

第三者機関の総合指標で1位になったのは事実です。ただし差は小さく、分野によっては他社のモデルが上回っています。

評価 結果
Artificial Analysisの総合指標 1位:Carbon 59点、Claude Opus 5.5 58点、GPT-6 Astra 57点(差は1〜2点)
AIにコーディングを任せる評価(同社) 2位:Claude Opus 5.5(Claude Code)62点、Carbon 59点
金融・法務などの実務評価(Vals Index v2.2) 2位:Claude Sonnet 5.5 70.85%、Carbon 70.36%
人の投票による文章の評価(Arena) 1位:1,528点
人の投票によるWeb開発の評価(WebDev Arena) 4位:1,768点
誤って答える割合(AA-Omniscience) 11%。Argonの4%より増えた

Vals IndexとArenaの数値はThe Decoder、そのほかはArtificial Analysisによります。Googleが公表した17項目の比較表ではCarbonが15項目で首位ですが、他社の数値の多くは各社の公表値を集めたものです。表の読み方は比較の記事で詳しく説明します。

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いまできること

立場 いまできること
個人・社内で試したい Gemini 4 ArgonをGoogle AI Pro・UltraのGeminiアプリで試す。Carbonは提供の発表を待つ
開発者 Gemini APIの有料枠でArgonを使う(モデル名 gemini-4-argon)。12月1日の値上げを前提に費用を見積もる
情報システム・セキュリティの担当 自社がFairwind Programの対象になるかを確認する。対象外でも、脆弱性の修正を早く入れる体制を整える(サイトの守り方)
Webサイト・マーケティングの担当 検索のAIモードで、自社の情報がどう答えられているかを確認する(確認する5つのこと)

Argonの仕様は、一度に扱える量が104万8,576トークン、出力は通常6万5,536トークンまでで、長い出力の機能を使うと最大104万8,576トークンです(Gemini APIのモデル説明)。

よくある質問

Gemini 4 Carbonは無料で使えますか?

2026年10月29日時点では、一般の人は無料でも有料でも使えません。提供は審査を通ったサイバー防御の専門家に限られています。参考までに、いま使えるGemini 4 Argonも、Gemini APIに無料枠はなく、Geminiアプリでは有料のGoogle AI ProかUltraの契約が必要です。

いつから使えますか?

Googleは「できるだけ早く」としていますが、日付は発表していません。前のモデルのGemini 4 Argonは、発表(9月30日)から一般提供(10月13日)まで13日でした。同じ流れになるとは限らないため、Googleの公式発表を確認してください。

Gemini 4 Argonとの違いは何ですか?

CarbonはArgonを土台にした上位のモデルです。Artificial Analysisの総合指標はCarbonが59点、Argonが50点。Googleの社内評価では、安全なコードを書ける割合がArgonの2倍以上とされています。一方、分からない問いに誤って答える割合(ハルシネーション率)は、同じ第三者評価でArgonの4%からCarbonは11%に増えました。APIの単価は同じです。

日本でも使えますか?

Carbonは、日本を含めて一般向けの提供が始まっていません。Argonについて、Googleは個人向けプランの説明で「一部の国」で提供としています。Geminiアプリは国内のメディアもGoogle AI Pro・Ultraの契約者が使えると報じていますが、検索のAIモードについては、対象国の一覧を公式の資料で確認できませんでした。

ChatGPTやClaudeより優れていますか?

第三者の総合指標では1位ですが、2位のClaude Opus 5.5との差は1点です。コーディングをAIに任せる評価ではClaude Opus 5.5が上、金融・法務などの実務評価(Vals Index)ではClaude Sonnet 5.5が上でした。用途によって答えが変わるため、比較の詳細は別の記事にまとめています。

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出典

※本記事は2026年10月29日時点の公開情報にもとづいています。性能の数値の多くはGoogleの発表で、第三者の評価は出典を明記したものに限ります。提供範囲や料金は今後変わる可能性があるため、利用前にGoogleの公式情報をご確認ください。

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この記事を書いた人
齊藤一樹
齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

株式会社仁頼 代表取締役。横浜市在住。 2018年からデジタルマーケティング業界に携わり、Google広告・SEO・コンテンツマーケティングを中心に8年以上の実務経験を持つ。これまでに制作した記事は9,000本以上、70名を超える専門ライターとのチーム体制で、幅広い業界のWebマーケティングを支援してきた。 2022年9月に株式会社仁頼を設立。「受けた御恩を忘れず、信頼を得られるよう迅速かつ最適な対応をする」という信念のもと、SEO・広告運用・サイト制作などのマーケティング支援を行っている。 近年は、ChatGPTやPerplexityなどのAI検索でサイトが引用される「GEO(生成エンジン最適化)」の分野にいち早く注力。自社サービス「GEO Hack」を通じて、AI時代の新しい集客手法を企業に提供している。 「難しいことをわかりやすく、小さな会社にも大きな成果を」をモットーに、日々クライアントと伴走中。

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