結論
BtoBの購買担当者がAIで調べている上位は、料金やサービス内容の比較、企業の強み、事例です(イニシャル/PADDLE、2026年9月28日、n=724)。日本全体でも、生成AIを検索に使う人は52.3%と初めて過半数になりました(CyberAgent GEOラボ、9月4日公表、n=9,278)。ただしAIだけで十分と考える人は1.6%で(ベーシック、9月17日、n=300)、最後は公式サイトで確かめています。料金の考え方・強み・数字入りの事例・比較・導入の流れ・会社情報のページを整えておくことが土台になります。
2026年9月、日本の「AI検索」に関する調査が相次いで公表されました。生成AIを検索に使う人は初めて半数を超え、BtoB(企業間取引)の購買担当者を対象にした3本の調査でも、85%を超える人がサービス選びや情報収集にAIを使っていると答えています。
一方で、検索エンジンを使う人はいまも大多数で、AIの要約を信頼する人は多くありません。数字を並べると、「AIで候補を絞り、公式サイトで確かめる」という購買の流れが見えてきます。
本記事では主な数字を整理し、企業が用意すべきページを調査の数字と対応づけて説明します。GEO対策(生成AIの回答に自社の情報が正しく取り上げられるようにする取り組み)の全体像はGEO対策とはで解説しています。
日本のAI検索の利用率は52.3%、初めて過半数に
CyberAgentのGEOラボ(同社のGEO支援部門)が2026年9月4日に公表した「生成AIのユーザー利用実態調査(2026年8月期)」によると、生成AIを検索の手段として使う人は52.3%でした。前回の37.0%から伸び、初めて半数を超えています。調査は8月7〜10日、全国の15〜69歳を対象にインターネットで行われ、回答者数(n)は9,278人です。
年代別では若い世代ほど高く、40代も初めて50%を超えました。
| 年代 | 生成AIを検索に使う人 |
|---|---|
| 10代 | 80.6% |
| 20代 | 61.0% |
| 40代 | 50.2%(初めて50%超) |
| 50代 | 46.1% |
| 60代 | 39.6% |
※CyberAgent GEOラボ(2026年9月4日公表、n=9,278)。確認できた年代のみ掲載しています。
サービス別ではAIモードがChatGPTに迫る
検索に使うサービスは、ChatGPTが30.6%、GoogleのAIモード(Google検索の中でAIと対話しながら調べられる機能)が28.4%、Geminiが23.2%でした。伸びが最も大きかったのはGemini(+3.6ポイント)です。ChatGPTとAIモードの差はわずかで、Googleの画面での見え方もChatGPTと同じくらい重要です。
検索エンジンも86.9%が使っている
一方、検索エンジンを使う人も86.9%います(前回は91.9%)。AIが検索に置き換わったのではなく、両方を使い分ける「併用」の段階と読むのが正確です。
博報堂DY ONEが9月8日に公表した2026年7月分の推計(StatCounterとSimilarwebのデータにもとづく日本の推計)でも、従来型の検索のセッション(一連の利用のまとまり)が前月比4.3%増えたのに対し、AI検索のセッションは前月比1.6%減でした。AI検索の伸びは、月ごとに見ると一方向ではありません。
BtoBの購買担当者は、AIを最初の入口にしている
9月には、BtoBの購買担当者を対象にした調査が3本公表されました。質問の仕方は違いますが、どの調査でも高い利用率が出ています。
| 調査元(発表日) | 規模・実査 | AI利用の主な数字 |
|---|---|---|
| IDEATECH(9月29日) | n=502、8月7〜19日 | 製品・サービスの選定で生成AIを使った人 90.6% |
| イニシャル/PADDLE(9月28日) | n=724、6月9〜11日 | BtoBサービスの選定で生成AIを参照する人 85.2% |
| ベーシック(9月17日) | n=300、8月5日 | BtoBの情報収集に生成AI・AI検索を使う人 86.0% |
注目したいのは、課題を整理する最初の入口です。IDEATECHの調査では、入口が「生成AI・AI検索」の人が36.5%で、「検索エンジン」の24.9%を上回りました。
なお、イニシャル/PADDLEの調査は実査が6月で、ベーシックの調査は回答者が300人と小さめです。3本の数字は単純に比べず、「どの調査でも高い」と読むのが安全です。
購買担当はAIで何を調べているのか
イニシャル/PADDLEの調査(9月28日、n=724)では、AIの使い道の上位は次の3つでした。
| 順位 | AIの使い道 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 料金やサービス内容の比較 | 40.6% |
| 2位 | 企業の強みの把握 | 37.0% |
| 3位 | 事例の確認 | 36.6% |
IDEATECHの調査(9月29日、n=502)でも、53.8%がAIで比較表を作り、56.8%が営業担当者と話す前に具体的な料金を知りたいと答えました。84.7%は、問い合わせフォームに記入しないまま候補企業の情報を見ています。
購買担当者は、営業に連絡する前にAIと公開情報で比較をかなり進めています。この段階で料金や事例が見つからない会社は、比較の材料に入りにくいと考えられます。
AIで候補を絞り、公式サイトで確かめる
ただし、AIの答えだけで決める人はほとんどいません。ベーシックの調査(9月17日、n=300)では、AI利用者の84.5%がAIの回答は候補リストに影響すると答えた一方、AIだけで十分と考える人は1.6%でした。多くの人は、公式サイトや資料、事例で確かめています。
HubSpot Japanの調査(2026年7月16日、n=1,573)でも、「生成AI検索の要約」を信頼する人は37.8%で、10の情報源の中で最も低い結果でした。AIは、よく使われていても信頼まではされていない情報源です。
それでも、最初の候補に入る意味は大きいです。イニシャル/PADDLEの調査では、54.1%が最初に検討した会社を最終的に選んでいました。数字を購買の流れに沿って並べると、次のようになります。
| 段階 | 購買担当者の行動 | 調査の数字 |
|---|---|---|
| 1. 課題の整理 | AIに相談して論点をまとめる | 入口がAI 36.5%、検索エンジン24.9% |
| 2. 候補の比較 | AIで料金や内容を比べる | AIで比較表 53.8% |
| 3. 公式情報で確認 | 問い合わせ前に公式サイトを読む | フォーム未記入で見る 84.7%、AIだけで十分 1.6% |
| 4. 選定 | 最初の候補から選ぶことが多い | 最初に検討した会社を選ぶ 54.1% |
AIで最初の候補に入ることと、公式サイトで確かめたときに情報がそろっていること。この2つがそろうと、選ばれる可能性が高まると考えられます。
企業側は危機感があっても、測り方で止まっている
企業の側はどうでしょうか。GMO NIKKO(AI検索対策のツールを販売)の「企業のAI検索対応に関する調査」(2026年9月29日、マーケティング・広報・Web担当者n=1,003)では、AI検索で露出が減ることを93.5%が懸念していました。ただし、その懸念が社内全体で共有されているのは16.5%にとどまります。
何らかの対応をしている企業は90.5%(全面的に36.1%、部分的に54.4%)で、対応中の企業が挙げた最大の壁は「効果測定・KPI設計」(37.9%)でした。KPI(成果を測るための指標)が定まらないまま進めている企業が多いことがうかがえます。指標の考え方はGEO対策の効果測定|追うべき5つのKPIで整理しています。
AIの影響は参照元の数字に出にくい
測りにくい理由のひとつは、AIからの流入がアクセス解析の「参照元」(訪問者がどこから来たかを示す項目)に表れにくいことです。単一サイトの計測例では、AI経由のセッションはサイト全体の0.72%でした(和から、9月14日公開)。別のサイトでは、GA4でAI経由と分類された流入が、9月の自然検索の2.2%でした(課題解決プラットフォーム、10月5日更新)。どちらも1サイトの数字で、一般化はできません。
米国のデータでは、参照元に出ない影響が大きい可能性も示されています。Profound(AI検索での見え方を計測するツールを提供)が米国の調査パネルで200万件超のAIとの会話を分析したところ(2026年7月1日公表)、AIに言及されたブランドへの訪問は7日間で平常時の1.5〜2.5倍に増えましたが、AI経由と識別できる訪問は約2.5%でした。日本のデータではなく、購入や成約を測った調査でもありません。
AIで社名を知った人は、指名検索(社名や製品名での検索)や直接の訪問で公式サイトに来ていると考えられます。GA4での見方はAI検索の流入はどう計測する?GA4の設定3つで解説しています。
電話で相談できます
読みながら「うちの場合は?」と思ったら、そのまま電話で聞いてください
たとえば、こんなことを聞いていただけます。
- ChatGPTやGeminiで自社名を聞いても出てこない。何が原因?
- SEOは外注しているが、AI検索の対策は別に頼む必要がある?
- 社内でできることと、外に頼むべきことの線引きは?
受付:平日10:00〜18:00|担当者が直接お答えします
「記事を見た」とお伝えいただくと、お話がスムーズです。
受付時間外の方・文章で相談したい方はこちら
✓ 相談・見積もりは無料 ✓ 営業電話やしつこい勧誘はしません ✓ 情報収集の段階でも大丈夫です
企業が用意すべきページと、対応する調査の数字
ここまでの数字をもとに、用意しておきたいページを整理します。
| ページ | 対応する調査の数字 | 載せたい内容 |
|---|---|---|
| 料金の考え方 | 営業前に料金を知りたい 56.8%(IDEATECH)、AIで料金・サービス内容を比較 40.6%(イニシャル/PADDLE) | 料金体系、目安の幅、金額が変わる条件 |
| 強み | AIで企業の強みを把握 37.0%(イニシャル/PADDLE) | 得意な業種や規模、他社との違い、その根拠 |
| 数字入りの事例 | AIで事例を確認 36.6%(イニシャル/PADDLE) | 業種、課題、取り組み、期間、成果の数字 |
| 比較 | AIで比較表を作る 53.8%(IDEATECH) | 比べる観点、向いている会社と向いていない会社 |
| 導入の流れ | フォーム未記入で情報を見る 84.7%(IDEATECH) | 手順、期間、社内で必要な準備、契約までの流れ |
| 会社情報 | AIだけで十分 1.6%(ベーシック)、AI要約を信頼 37.8%(HubSpot Japan) | 所在地、設立、体制、実績、問い合わせ先 |
料金は「考え方」だけでも公開する
金額をそのまま出せない場合も、料金が何で決まるか、どのくらいの幅になるかを書いておけば、営業前に料金を知りたい56.8%の人の判断材料になります。
強み・事例・比較は、確かめられる事実で書く
「丁寧なサポート」のような言葉だけでは比較の材料になりません。業種、期間、成果の数字など、確かめられる事実で書きます。比較ページも、自社に有利な点だけを並べるより、比べる観点と向いている会社・向いていない会社を正直に書くほうが、確かめに来た人の判断に役立ちます。導入の流れは、フォームに記入しなくても読めるページにしておきます。
取り組みの始め方はLLMO対策とは?何から始めるかで紹介しています(LLMO対策は、GEO対策とほぼ同じ意味で使われる言葉です)。
調査の数字を読むときの注意
今回の調査の多くは、関連サービスを販売する会社が公表したものです。CyberAgentのGEOラボはGEO支援を行う部門で、GMO NIKKOはAI検索対策のツールを、ベーシックはBtoBマーケティングのツール「ferret One」を販売しています。IDEATECHはリサーチを使った広報支援を行っています。
結果が誤りというわけではありませんが、質問の作り方や対象者の選び方で数字は変わります。引用するときは、調査した会社、発表日、回答者数、調査時期をあわせて確かめるのが安全です。
いま確認すべきこと
1. 料金ページに、料金体系や目安の幅など料金の考え方が書かれているかを見る
2. 事例ページに、業種・期間・成果の数字が入っているかを確認する
3. 導入の流れと期間を、問い合わせなしで読めるページにまとめる
4. ChatGPT・Gemini・GoogleのAIモードで自社名やサービス名を聞き、回答が公式サイトの料金・強み・会社情報と合っているかを照合する
5. アクセス解析では、AI経由のセッション数だけでなく、指名検索と直接流入の推移もあわせて記録する
1〜3は、Web担当者だけでは決められないことも多い項目です。GMO NIKKOの調査では、懸念を社内全体で共有できている人は16.5%でした。営業・広報・経営層と、誰が何を用意するかを先に決めておくと進めやすくなります。
よくある質問
2026年のAI検索の利用率はどのくらいですか
CyberAgent GEOラボの調査(2026年9月4日公表、n=9,278)では、生成AIを検索に使う人は52.3%で、初めて過半数になりました(前回は37.0%)。ただし検索エンジンの利用も86.9%あり、両方を使い分ける人が多い状態です。
BtoBの購買担当者は、生成AIで何を調べていますか
イニシャル/PADDLEの調査(2026年9月28日、n=724)では、料金やサービス内容の比較(40.6%)、企業の強みの把握(37.0%)、事例の確認(36.6%)が上位でした。
AIで候補に入れば、公式サイトは見られなくなりますか
そうとは言えません。ベーシックの調査(2026年9月17日、n=300)では、AIだけで十分と考える人は1.6%で、多くの人は公式サイトや資料、事例で確かめています。
AIからのアクセスがほとんどありません。対策は不要ですか
参照元の数字だけでは判断できません。米国のデータでは、AIに言及されたブランドへの訪問のうち、AI経由と識別できたのは約2.5%でした(Profound)。指名検索や直接流入もあわせて見てください。
料金を公開できない場合はどうすればよいですか
金額を出せなくても、料金が何で決まるか、どんな費用項目があるかは書けます。IDEATECHの調査(2026年9月29日、n=502)では、56.8%が営業と話す前に具体的な料金を知りたいと答えています。
出典
- CyberAgent GEOラボ「生成AIのユーザー利用実態調査(2026年8月期)」(2026年9月4日)
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=33787 - 博報堂DY ONE「AI検索エンジンのトラフィック推移と動向(2026年7月)」(2026年9月8日)
https://oneder.hakuhodody-one.co.jp/blog/ai-search-engine-202607 - IDEATECH「調査リリース(PR TIMES)」(2026年9月29日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000717.000045863.html - イニシャル/PADDLE「BtoB Buying Trends 2026」(Web担当者Forum、2026年9月28日)
https://webtan.impress.co.jp/n/2026/09/28/53320 - ベーシック「調査リリース(PR TIMES)」(2026年9月17日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000720.000006585.html - HubSpot Japan「日本のBtoB購買に関する意識・実態調査2026」(2026年7月16日)
https://www.hubspot.jp/company-news/state-of-buyer-2026 - GMO NIKKO「企業のAI検索対応に関する調査」(2026年9月29日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005552.000000136.html - 和から「ブログ記事(自社サイトの計測)」(2026年9月14日)
https://wakara.co.jp/mathlog/20260914-3 - 課題解決プラットフォーム「ブログ記事(自社サイトの計測)」(2026年10月5日更新)
https://0120.co.jp/blog/aio-160/ - Profound「AI Mention Effect」(2026年7月1日)
https://www.tryprofound.com/blog/the-ai-mention-effect
※本記事は2026年10月6日時点の公開情報にもとづいています。各調査は質問文・対象者・調査時期がそれぞれ異なり、続報や追加の公表によって数字や解釈が変わる可能性があります。
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