社名で検索するとAIは何と答える?食い違いを見た人の66.6%が購入をやめた

社名で検索するとAIは何と答える?食い違いを見た人の66.6%が購入をやめた

齊藤一樹
この記事を書いた人 齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

結論

社名や製品名をAIに聞くと、AIは第三者のサイトの情報もまとめて答えるため、料金や仕様が公式情報と食い違うことがあります。NTTデータの調査(2026年9月30日公表、n=3,948)では、食い違いを見た人が37.9%おり、そのうち66.6%が購入をやめていました。米国では会社名・製品名の検索の80%超にGoogleのAIの要約が出たという計測もあります(DemandSphere・Nectiv、9月下旬。日本は未確認)。自社名でのAIの回答を複数回点検し、公式の「事実のページ」と第三者の場の情報をそろえてください。

取引先や顧客が、あなたの会社のことをAIに聞く場面が増えています。問題は、AIの答えが公式サイトの内容と同じとは限らないことです。

2026年9月末には、この食い違いが購入の判断に影響していることを示す国内の調査が出ました。同じ時期に米国では、会社名の検索にもGoogleのAIの要約が急に出るようになったと報じられています。

この記事では、数字を整理したうえで、自社名でのAIの回答を点検する手順と直し方を説明します。GEO(生成AIの回答に自社の情報が正しく使われるようにする取り組み)の全体像はGEO対策とはをご覧ください。

食い違いを見た人の3分の2が購入をやめた

NTTデータは2026年9月30日、「GenAI生活者インサイトレポート2026 ISSUE 02」を公表しました。回答者は3,948人、実査は8月28〜31日です。

項目 数字 読み方
食い違いを見た人 37.9% AIの回答が企業の公式情報と食い違うのを見た人
そのうち購入をやめた人 66.6% 食い違いを見た人の中の割合。全体の66.6%ではない
AIの提案をそのまま採用 69.7% AI経由で購入した人の中の割合(2026年3月比+7.8ポイント)
AIで購入・申込まで進む人 49.2%→55.0% AIを使って実際の購入・申し込みまで進んだ人の増加

注意したいのは66.6%の読み方です。これは「食い違いを見た37.9%の人」の中の割合で、回答者全体の66.6%ではありません。それでも、AIの回答の誤りが検討の最後で購入をやめる理由になりうることを示しています。

AI経由で購入した人の69.7%はAIの提案をそのまま採用しています。AIの答えがそのまま選択につながるほど、答えが正しいかどうかの重みは増します。

買い物の調査でも同じ傾向

Itera(GEOツール「LLMOチェキ」を提供)が9月29日に公表した買い物の調査でも、方向は同じです。本調査は300人と小規模で、GEOツールの販売会社による調査です。

AIの回答を理由に購入をやめたり、別のブランドに切り替えたりしたことがある人は50.3%で、主な理由は否定的な評判への言及(42.4%)でした。AIだけで判断した人は17.0%で、83.0%は公式サイトなどで内容を確かめていました。

BtoBでは「AIで探して、公式サイトで確かめる」

BtoBの購買でも同じ流れがはっきりしています。2026年9月に公表された3つの調査では、選定でAIを使う人が85〜91%に達しました。

調査(発表日・規模) 主な数字
IDEATECH
(9月29日、n=502)
選定で生成AIを使った人90.6%。フォームに記入せず候補企業の情報を見た人84.7%。営業と話す前に料金を知りたい人56.8%
イニシャル/PADDLE
(9月28日、n=724)
生成AIを参照する人85.2%。AIの使い道の上位は料金・サービス内容の比較40.6%。最初に検討した会社を最終的に選ぶ人54.1%
ベーシック
(9月17日、n=300)
AIの回答が候補リストに影響すると答えたAI利用者84.5%。AIだけで十分と考える人1.6%

AIは「最初の候補リスト」を作る場になり、確認は公式サイトで行われています。84.7%がフォームに記入せず候補企業を見ているということは、営業が接点を持つ前に、AIの回答と公式サイトで比べられているということです。最初に検討した会社が選ばれやすい以上、AIの答えの誤りで候補から外れる影響は小さくありません。

米国では会社名の検索にもAI Overviewsが出始めた

米国のデータでは、会社名や製品名での検索(指名検索)にも、AI Overviews(Googleの検索結果に出るAIの要約)が出るようになっています。Search Engine Land(2026年10月1日)が報じたDemandSphereとNectivの計測では、表示率が約26%から9月下旬に80%超へ急増し、Nectivが調べた100ブランド中93ブランドで表示されました。

時点(米国) 指名検索でのAI Overviews表示率
急増の前 約26%
9月27日 90.48%(最も高い日)
9月29日 82.06%

日本ではまだ確認されていない

これは米国・英語の検索のデータで、Googleは変更を発表していません。クリック数への影響も測られておらず、日本語の検索で同じことが起きているかは確認できていません。

もし同じ動きが日本に来れば、「社名 評判」「製品名 料金」と検索した人は、公式サイトより先にAIの要約を読むことになります。その要約は、Webに出ている自社の情報から作られます。

AIの回答が公式情報とずれる3つの理由

1. 公式サイト以外の情報も使う

Writesonic/NP Digitalが9つのAIの900万件の回答を分析した結果(Search Engine Land、2026年9月30日)では、商用目的の質問で引用の82%が第三者のサイトで、自社ページは3%でした(質問は無作為抽出ではありません)。古い料金が載った記事が引用されれば、AIの回答も古くなります。

2. AIの種類によって引用元が違う

Profound(AI検索の計測ツールを提供)の計測(9月21日の資料)では、ChatGPTは8月8日前後を境にRedditの引用シェアが5.46%から0.3%に下がり、企業自身のコンテンツが引用の51.8%を占めるようになりました。OpenAIはこの変化を発表していません。日本語では、Ahrefs(SEOツールを提供)の9月版(9月30日、約300万プロンプト)で、ChatGPTの引用元はPR TIMESが2位、Gemini(参考値)ではnoteが1位でした。AIによって参照先が違えば、答えも変わります。

3. 同じ質問でも答えが毎回変わる

Search Engine Land(10月2日)がまとめたSE Rankingの調査では、1万キーワードを同じ日に3回聞いたとき、引用URLの重なりは平均9.2%でした。1回の結果で安心も悲観もできません。回数の考え方はAI引用の計測は何回反復すべき?で解説しています。

自社名でのAIの回答を点検する4つの手順

点検は専用ツールがなくても始められます。

手順1:google.co.jpで4つの語を検索する

「社名」「製品名」「製品名 料金」「社名 評判」を検索し、AI Overviewsが出るか、何と書かれているかを記録します。端末やログイン状態で表示が変わる可能性もあるため、確認した条件も残します。

検索語 確かめること
社名 事業内容・所在地・設立年が会社概要と合っているか
製品名 製品の説明と主な機能が製品ページと合っているか
製品名 料金 料金が公式の料金ページと合っているか。旧価格が出ていないか
社名 評判 どのサイトの評判が引用されているか。事実と違う記述がないか

手順2:ChatGPT・Gemini・AIモードにも聞く

ChatGPT・Gemini・AIモード(Googleの対話型のAI検索)にも同じ4つを聞き、回答と引用元のURLを保存します。AIごとに引用元が違うため、1つのAIだけで判断しません。

手順3:公式情報と照合して4つに分ける

回答を公式の料金・仕様・会社情報と1項目ずつ照合し、「正しい」「古い」「誤り」「公式にない情報」に分けます。直す場所を決めるため、引用元も記録します。自社ページが引用されても回答に社名が出ない「ゴースト引用」が最大75%あったという分析もあり(前述のWritesonic/NP Digital)、「社名の言及」と「URLの引用」は分けて数えます。

手順4:日を変えて複数回聞く

同じ日に3回聞いてもURLの重なりは平均9.2%です。日を変えて複数回聞き、傾向で判断します。同じSearch Engine Landの記事で紹介されたSparkToroらの調査は、1つの質問につき60〜100回の実行を勧めています。手作業では難しいため、重要な質問に絞り、毎月同じ条件で記録します。

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たとえば、こんなことを聞いていただけます。

  • ChatGPTやGeminiで自社名を聞いても出てこない。何が原因?
  • SEOは外注しているが、AI検索の対策は別に頼む必要がある?
  • 社内でできることと、外に頼むべきことの線引きは?

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食い違いを減らす直し方

自社サイトの「事実のページ」を整える

AIと人が確かめに来るページに、正しく新しい事実を置きます。

ページ 書いておくこと
会社概要 正式な社名、所在地、設立年、事業内容、主な製品名
料金の考え方 料金体系、主なプランと価格、価格が変わる条件、改定日
製品仕様 主な機能、対応環境、数値で示せる仕様
事例 業種、導入前の課題、導入後の変化を数字で
FAQ 「製品名 料金」のように実際に聞かれる質問への短い答え

BtoBの購買担当者の56.8%は営業と話す前に料金を知りたいと答えています(前述のIDEATECH)。前述のProfoundの計測でも、ChatGPTが引用した企業自身のコンテンツのうち、製品・サービスページが37.9%、ドキュメント(仕様書・ヘルプ類)が19.0%でした。料金を公開できない場合も、料金が決まる条件は書けます。旧料金のページは更新し、改定日を明記します。

ChatGPTが公式サイトを見に行く動きに備える

Profoundの計測では、8月8日前後を境に、ChatGPTの引用で商用ページが22.6%から30.4%に、ドキュメントが6.3%から11.6%に増えました。ChatGPTが公式サイトを直接見に行く動きはChatGPTが公式サイトを直接見に行くようになったで解説しています。公式サイトが参照されるほど、そこにある事実の正確さが回答の正確さになります。

第三者の場の情報を公式とそろえる

日本語のChatGPTではPR TIMESが引用元の2位でした(前述のAhrefs)。過去のプレスリリース、自社のnote、比較サイトに載っている自社の情報を洗い出し、料金や仕様が古ければ修正を依頼するか、最新の情報を出し直します。評判そのものは消せませんが、事実の誤りは公式の情報で正せる部分があります。プレスリリースの使い方はGEO対策にプレスリリースは有効か?をご覧ください。

「必ず正しく表示させる」とは約束できない

ここまでの手順で、食い違いが起きる可能性は下げられます。ただし、AIに自社を必ず正しく表示させる方法はありません。回答は質問のたびに変わり(前述の9.2%)、Writesonic/NP Digitalの分析では最大58%の引用が二度と現れませんでした。目標は「正しく表示させる」ではなく、「食い違いを見つけ、公式の事実を整え、変化を記録し続ける」ことに置くのが現実的です。

AIの回答に自社の情報が答えとして選ばれるための考え方は、AEOとは?で整理しています。

今週やること

1. google.co.jpで「社名」「製品名」「製品名 料金」「社名 評判」を検索し、AI Overviewsの有無と内容を記録する

2. ChatGPT・Gemini・AIモードに同じ4つを聞き、回答と引用元のURLを保存する

3. 回答を公式の料金・仕様・会社情報と照合し、「正しい」「古い」「誤り」「公式にない情報」に分ける

4. 会社概要・料金・仕様・事例・FAQのページに、最新の事実と改定日があるかを確認する

5. PR TIMES・note・比較サイトの自社の情報が、公式と一致しているかを確認する

よくある質問

自社名でAIが何と答えるかは、どう調べればよいですか

google.co.jpで「社名」「製品名」「製品名 料金」「社名 評判」を検索し、ChatGPT・Gemini・AIモードにも同じことを聞きます。回答を公式情報と照合し、日を変えて複数回確かめてください。

日本でも会社名の検索にAI Overviewsが出ていますか

確認できるデータは見当たりません。80%超という数字は米国のDemandSphere・Nectivの計測で、Googleも発表していません。自社の検索語で確かめてください。

「66.6%が購入をやめた」は全体の3分の2ということですか

違います。NTTデータの調査で食い違いを見た人は37.9%でした。66.6%は、その人たちの中で購入をやめた人の割合です。

AIの回答に誤りを見つけたら、まず何をすればよいですか

回答の引用元を確かめます。自社サイトが古ければ該当ページを更新し、第三者のサイトが古ければ修正を依頼します。回答がすぐ変わるとは限らないため、記録を続けます。

「AIに必ず正しく表示させる」と約束するサービスは信頼できますか

AIの回答は同じ日に3回聞いてもURLの重なりが平均9.2%で、表示は保証できません。できるのは、食い違いを見つけ、公式の事実を整え、測り続けることです。

この記事に載っていないことも、電話でそのまま聞いてください。担当者が直接お答えします。

080-4416-5161 (平日10:00〜18:00)

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出典

※本記事は2026年10月6日時点の公開情報にもとづいています。米国の指名検索でのAI Overviews表示の増加はGoogleが発表したものではなく、日本での状況は確認できていません。AIの回答や各サービスの表示は予告なく変わる可能性があります。

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この記事を書いた人
齊藤一樹
齊藤一樹 代表取締役/Webマーケター

株式会社仁頼 代表取締役。横浜市在住。 2018年からデジタルマーケティング業界に携わり、Google広告・SEO・コンテンツマーケティングを中心に8年以上の実務経験を持つ。これまでに制作した記事は9,000本以上、70名を超える専門ライターとのチーム体制で、幅広い業界のWebマーケティングを支援してきた。 2022年9月に株式会社仁頼を設立。「受けた御恩を忘れず、信頼を得られるよう迅速かつ最適な対応をする」という信念のもと、SEO・広告運用・サイト制作などのマーケティング支援を行っている。 近年は、ChatGPTやPerplexityなどのAI検索でサイトが引用される「GEO(生成エンジン最適化)」の分野にいち早く注力。自社サービス「GEO Hack」を通じて、AI時代の新しい集客手法を企業に提供している。 「難しいことをわかりやすく、小さな会社にも大きな成果を」をモットーに、日々クライアントと伴走中。

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